〔photo〕gettyimages

中国・習近平の「次の一手」として「米国債売却」はあり得るのか

「返り血」もある

「次の一手」としての米国債売却

8月に入ってから中国の人民元安誘導(疑惑)が金融市場を騒がせている。

〔photo〕gettyimages

一連の元安相場はトランプ政権の追加関税に対抗する手段との見方がもっぱらだが、通貨安政策や各種許認可の操作以外で中国が採り得る対抗措置として米国債の売却を懸念する声は常にある。

 

中国による米国債売却に関しては、2018年1月に中国の外貨準備に関する定期的な運用方針見直しにおいて「米国債が他の資産と比較して魅力が低くなったこと」および「対米貿易関係に緊張があること(trade tensions with the U.S)」を理由として米国債購入を減速(slow)または停止(stop)させることが勧告されたと報じられ話題になった。

また、今年に入ってからはその漸減傾向が貿易戦争最中の対抗措置と絡めて注目されることが増えている。中国の米国債保有残高は昨年8月から今年5月までの10か月連続で前年比を割り込んでおり(図表1)、これに絡めて報復的な意図を囃し立てようとする向きは少なくない。

もちろん、過去1年でたびたび「1ドル=7.0元」の攻防戦が話題になっていることからも分かるように、元買い・ドル売り介入の原資として消費された部分が大きいと思われるが、米中両国の緊張感が続く中で市場は常に新しい材料を探し続ける。

ヘッドラインが耳目を集めやすいだけに「中国の米国債売却」は今――それが出所不明の情報であっても――市場を揺るがす可能性はある。今回の本欄ではこれを議論してみたい。