ついに「相談役」へ…72歳、島耕作はいつまで「現役」なのか?

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現代ビジネス編集部 プロフィール

女性新社長のモデルはパナソニックの小川理子氏

――期待しています(笑)。新キャラクターで驚いたのが新社長・風花凜子です。4ヵ国語を話し、IoTに精通した優秀な人材ですが、42歳の若い女性。昨年、スピンオフの短期連載に登場しています。当時から社長就任を想定されていたのでしょうか。

弘兼:その頃は考えていませんでした。新社長を選ぶ過程で候補者を見ると、保守的だったりスタンドプレーが過ぎたりして、これだという人間がいなかったんですね。新陳代謝を図るためには今までの型にはまらない新しいタイプの人間が必要でした。

そこで浮上したのがサックスプレーヤーとテコット執行役員という二足の草鞋を履く風花凜子です。彼女はジャズピアニストでありながらパナソニック史上2人目の女性役員である小川理子さんがモデルになっている。風花凜子の社長就任が会社のカンフル剤になればいいなと思っています。

テコットの新社長に就任した風花凜子

――大手の老舗企業としては大胆な決断ですよね。

弘兼:実は、パナソニックでも過去に大抜擢があったんです。3代目社長の山下俊彦さんは取締役26人中25番目の取締役から社長に就任しているんですよ。「山下跳び」と言って世間が驚いたものです。

山下さんは一匹狼で派閥をつくらず、登山が趣味で残業もしないちょっと変わった方でした。そういうところを気に入ったのか、幸之助さんと2代目の松下正治さんが固辞する山下さんを説き伏せたそうです。

今の電機業界を立て直すのは難しいことですが、風花凜子は持ち前の行動力でIoTを活用し、電機自動車や住宅設備など新分野も積極的に切り拓いていくはず。

若さゆえの経験不足は否めませんし、やっかみもあってしばらくはいろいろあると思います。でも、そこは他の役員に助言をもらいつつ、上手くやっていくのではないでしょうか。

 

かつて科学技術大国だった日本は、いまやアメリカや中国にお株を取られてしまっています。そこには、ILCの誘致問題になかなか明確な答えがでないように、日本の保守的な部分が邪魔しているように思う。

世界に追いつくためにも若い人たちには悪しき体質を払拭し、新しいことにどんどん挑戦してほしい。そんな思いを風花凜子に託しています。

――企業には相談役以上のポストがありません。ネットでは最後は総理大臣になるんじゃないかというコメントも見られますが、島耕作の行く末はどうなるのでしょうか。

弘兼政治家になるには年を取り過ぎていますよね。資格を持っていないのでフリーで仕事をすることもなさそうだし。かといって、リタイアして地域の町内会の会長では一気に話が小さくなってしまう(笑)。きっと相談役として世界を駆け巡りながら、島耕作らしい新しい道を見つけていくんだと思います。

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取材・文/中川明紀 撮影/西﨑進也
ⓒ弘兼憲史/講談社

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