8月31日 アムンゼンが北極海横断に成功(1906年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1903年6月17日にノルウェーのオスロを出港した探検家ロアール・アムンゼン(Roald Engelbregt Gravning Amundsen[ノルウェー]、1872-1928)が、北極海を通過してベーリング海峡にいたる「北西航路」の横断に成功し、3年後の1906年のこの日、アラスカのノーム港に到着しました。

北西航路とは、北アメリカ大陸の北側にあるカナダ北極諸島の間を抜けて、太平洋と大西洋を結ぶ航路のことで、太平洋の北側から、ベーリング海峡~チュクチ海~ボフォート海~北極諸島を貫く海峡群~バフィン湾~デービス海峡を経て、大西洋に抜けるルートです。

  赤色が北西航路のルート。緑色のルートは、ロシア北方を通る北極海航路 map by iStock

ヨーロッパとアジアを結ぶ最短航路になりうると考えられたため、古来より多くの探検家がこの航路の開拓へ挑んできました。しかし、1年中融けない流氷・海氷や氷山がある過酷な北極海の環境に阻まれ、多くの探検家が犠牲になってきました。

なかでも有名なのが、最新の大型船2隻で1845年にイングランドを出発したフランクリン遠征隊です。北極海に閉ざされた船のなかで2年の越冬を余儀なくされた遠征隊は、隊長のフランクリンをはじめ多くの人員と物資を失います。生き残った隊員は船を放棄して北極圏をさまよったと推定されますが、生還した者はいませんでした。

隊員129人全員が失踪し、壮絶な遭難死をとげたこの事件は、アムンゼンに強烈な印象を与え、彼の北極海探検のきっかけの1つとなりました。

アムンゼンの航海には約3年を要していますが、その理由は、地磁気のN極にあたる「北磁極」を確認するためにグリーンランドで約1年間の観測を実施したことや、船が氷に閉じ込められてしまったことだそうです。

アムンゼンが乗った「ヨーア号」は、現在の観測船からすれば驚くほど簡単なものです。こんな船で、北極海を3年も航海するなんて、考えただけでも背筋が寒くなりますね。

  アムンゼンのヨーア号 photo by gettyimages

関連の日:7月16日 探検家のR・アムンゼンが生まれる(1872年)