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ドイツ銀行大リストラを招いた、いまどきの「銀行と金融」の致命的弱点

「ふつうの銀行」に戻れるか?
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

ジャンク、すなわちガラクタと呼ばれたのは、銀行から融資してもらえないような倒産リスクの高い企業が発行する債券だからだ。リスクは高いがその分利回りも高いので、企業の業績がうまく回復すると大きな投資利益が上がる。

ジャンク債を複数組み合わせて、投信のようなパッケージ商品にして売ることを考案したのが、「ジャンク債の帝王」と呼ばれたドレクセル・バーナムのマイケル・ミルケンだった。

マイケル・ミルケン氏/Photo by Gettyimages

ジャンク債市場は1986年に400億ドルを超え、その最大の貢献者ミルケンはピークの年に5億5000ドルの報酬を手にする。日本円でざっと600億円という信じ難い額だ。

ジャンク債は、ピケンズやアイカーンなどの「乗っ取り屋」らが大企業に敵対的買収をかけるのに使った手法、LBO(レバレージ・バイアウト=買収者が買収先企業の資産を担保に資金を調達する手法)にも多用され、ドレクセルなどに追加的なビジネスをもたらした。

しかし、ミルケンらのグループは、会社のリスク管理が効かないまま、暴走していく。

その極めつけは、ミルケンらが会社に隠れて自分達だけの共同出資会社を設立していたことだった。

彼らは顧客のための取引から得られる豊富な市場情報をもとに自らに利益を誘導するトレードを行なっていた。顧客も会社も裏切っていたのだ。

それがインサイダー取引でのミルケンの逮捕とドレクセルの崩壊にもつながっていった。

 

ドイツ銀はなぜ変わったのか?

このギラギラした80年代のウォール街を横目で眺めていたのが、ドイツ銀行だ。

日本でも一般に銀行にはお固いイメージがあるが、ドイツの歴史とともに国策を支えてきたドイツ銀行は、まさに名門。

もともとは伝統を重んじ、リスクには慎重な銀行だった。経営陣もドイツ人なら社内もドイツ語で、カルチャーは「純ドメ」だったという。

それがどう変わっていったのかーードイツの有力誌「シュピーゲル」は、その変化を詳細に追跡している。

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