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文在寅政権が「反日路線」で韓国国民を煽り続ける、根本的な理由

念頭にあるのは「南北統一」

「南北協力で日本に対抗」の現実味

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が「自滅への道」をひた走っている。日本との貿易をめぐる対応だけでなく、肝心の経済政策もデタラメだ。彼らはなぜ、間違えるのか。私は「事大主義と反日路線」が根本的な理由とみる。

文政権の反日路線について、これまでの経過は多くの読者がご承知だろうから、ここでは省く。貿易問題については、日本が輸出管理の包括許可グループから韓国を除外すると、文政権は「徴用工問題での報復だ」と怒り狂って、日本を包括許可から外した。

 

日本が包括許可から外したのは、韓国自身が認めているように、不適切事例が4年間で156件もあって、安全保障上の懸念があったからだ。韓国は「日本が輸出管理の基本原則から外れている」ことを理由に挙げたが、どう外れているのか、説明できていない。つまり、言いがかりの報復である。

さらに、文政権は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄もちらつかせている。GSOMIAを破棄したら、米国が怒るだろう。日本の対応について、世界貿易機関(WTO)への提訴を準備し、2020年の東京五輪・パラリンピックのボイコット案まで浮上しているようだ。

民間では、日本製品の不買運動が起きている。韓国では8月14日が「慰安婦の日」、15日は日本の植民地支配からの解放を祝う「光復節」と続き、官民ともに反日一色に包まれている。まったく「どうぞ勝手にやってくれ」という感じである。

一連の韓国の対応で、私が注目したのは「北朝鮮との南北平和経済で日本に対抗する」という大統領の発言だ。文氏は政府の首席秘書官・補佐官会議で「日本の経済が我々の経済に比べて優位にあるのは、経済規模や内需市場だ。南北の経済協力で平和経済を実現すれば、一気に追いつくことができる」と述べた。

国民向けのアジテーション(扇動)演説ではなく、政策を検討する会議での発言だったということは、単なる思いつきではなく、それなりに検討したうえでの発言だった、とみていい。

どうやら、文大統領は「南北が一体となって対抗すれば、日本を凌駕することができる」と本気で考えているようだ。たしかに、北朝鮮には豊富な地下資源が見込まれているから、理屈の上では、南が資本投下して開発すれば、それなりに発展するのは可能だろう。

だが、相手は多くの国民が「食うや食わず」の国なのだ。開発する前に、南は北に膨大な経済支援を迫られる。日本が協力するならともかく、逆に敵対したまま、南が自力で支援しようとすれば、北の国民を食わせる負担だけで、南の経済がつぶれてしまうのは必至だ。