中国の為替操作国指定に「今さら驚く日本人」の末路

米国の本音は伝統なドル高政策
宿輪 純一 プロフィール

袋小路の日銀、やらずもがなの円高

さらに、米国の経済政策、特に金融政策は日本円に大きい影響を与える。日本の金融政策はもはやデッドロックに陥っている。これ以上金利を下げると銀行をはじめとした金融機関の経営が悪化するという副作用があるため。実質的に金利の引き下げは、不可能となっている。

そもそもの金利水準も、日本銀行は中央銀行の本来の仕事である「平常時に、異常時に利下げを行うために、金利の引上げること」を行ってこなかった。ということは米国が利下げをして金利差が縮まった際に、こちらは利下げをすることが出来ず、結果として米国の金融政策の影響を直接受けるということになる。

 

日本経済新聞の1面の記事で、理論的にも1ドル107円のレベルが是認されていた。また米FRBが1回利下げ(0.25%)で2円の円高が計算でき105円のレベルが予想できた。つまり、今後も1回の利下げで2円の円高と予想される。

さらに、現状では年内に2回米FRBは利下げするので、101円までは行く可能性があるということになる。

しかし、トランプは共和党の伝統的な経済政策であるドル高政策を始めているため、円高も抑えられてくると考えている。しかも、日本の主要メーカーが海外にほとんどの工場を移転した現在も、いまだに“思い込み”で為替は株式に影響がでる。

つまり円高に行くと日本の株式は下落するため、実質的な「日本企業の筆頭株主」である日本銀行の信用は下落する。すなわち円の信頼も下落するという力も働く。

このような情勢で円は大きく動きにくい。この数年のこのような動きを見ていても、円は主要な為替取引通貨ではなくなってきているといわざるを得ない。