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中国の為替操作国指定に「今さら驚く日本人」の末路

米国の本音は伝統なドル高政策

大した影響はない

米財務省は、貿易で有利になるよう意図的に通貨を切り下げているとして、中国を「為替操作国」に指定した。この時期の指定に特段の意味はない。逆に騒ぐ向きが日本に多いのに驚いた。

為替操作国とは、1.貿易黒字、2.経常黒字、3.一方的な為替介入を判断条件として認定する。今回の中国については“1のみ”しか該当していなかった。

米国は、1980年代に台湾と韓国を為替操作国に指定し、1994年には中国を為替操作国に指定した。それ以降、指定された国はなかった。

米国は貿易交渉を優位に進める手段として、この為替操作国指定を活用してきた。ちなみに、現在でも、その手前の為替管理リストには、台湾・韓国・日本・ドイツ・アイルランド・イタリア・ベトナム・シンガポール・マレーシアの9カ国がある。日本はこのリストの「常連」だ。

 

今回、1ドル=7元を切った人民元安になったのが1つのきっかけになった。本来、人民元の通貨政策は多数の通貨との加重平均(バスケット)に固定的にコントロールされているはずであったが、“分かりやすさ”の観点から、最近ではドルとの単独の為替レートを意識していた。

さて、米国は、その為替操作国指定すると、何をするかというと、為替介入を止める様に命令し、効果がないときには関税を引き上げる。

しかし、中国は毎日の為替介入を止めていないし、米トランプ政権はすでに関税を課している。しかも、第4次の関税率引上げは、ほぼ全商品に掛かる大規模なものになっている。すでに規定の制裁が適用されているのである。

しかも、この為替操作国指定がなされた後も、人民元は安値で推移している、すなわち為替介入は止めていない。ここまで来ると逆に、年2回報告される為替操作国報告の意味がなくなっている。