国際基督教大学時代にスウェーデンに留学に行って、避妊の手段やアクセスのしやすさ、そして産婦人科と若者との距離の近さなどに衝撃を受け、日本に帰国してから「#なんでないの」という活動をたちあげた福田和子さん。世界の会議などにも参加し、実情を調べてみると、スウェーデンが特別なのではなくて、日本が女性の性を守る施策が世界の人たちが驚き怒るほどのレベルであることもわかってきた(記事はこちら)。

現在講演会でも多忙な福田さん、医師や専門家を対象とした講演会にもよく呼ばれている。その医師を対象とした講演会で、避妊に関する日本の実態を話したところ、衝撃の言葉を言われたのだ――。その時のことをきっかけに、#なんでないのプロジェクトにに寄せられる生の女性たちの声を、福田さんに紹介してもらおう。

ラジオやテレビでも発言を求められるようになっている。写真は練馬FM「ふゆ姫先生の保健室」出演時 写真提供/福田和子

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目の前の事実を語ることは「意識高い」こと?

「意識高いね、前からそうなの?」
「男の子とか、近寄らないでしょ?」

様々なところで講演活動をしていると、私はたまに、そんな言葉を投げかけられる。
そしてつい最近、講演後ついに同様の言葉を、参加していた「医師から」かけられてしまった。

私は大変、ショックだった。

私が普段お伝えしていることといえば、「日本でももっと誰でも性の健康を守りやすくしてほしい」「女性が主体的に自分を守れる手段を下さい」など。妊娠不安や計画外妊娠で苦しむ女性たちの存在を少しでも考えれば、至極当然なことばかりだ。

しかし、私のした「当然な話」を一番理解しているはずの医師から「意識高い人がする話」と言われてしまったということはつまり、私の話は「一般の人どころか、医師だって気にもしない、気づきもしないこと」と断言されてしまったようなものだ。本人はそこまで意識して発言もしていないかもしれないが、それは言い換えれば、妊娠不安や望まない妊娠で苦しむ彼女たちの存在も、「普通は気にもしない、気づきもしない」存在といっていることと同じだ。

そういう彼らは、もしかしたら、そういった問題を気にも止めない自分が責められるのが嫌で、「自分の想像力が低いわけでは決してなく、あなたが高いだけ」と自身を正当化したいだけなのかもしれない。いずれにせよ、私はそれをされた時いつも、小さなナイフでちくりとされたような感覚を覚える。それが医師となると、ちくりどころか、ぐさりと刺さった。

私の行う#なんでないのプロジェクトでは、性にまつわる経験談や思いを随時募集している。そこに届く声に耳を傾けると、避妊や中絶、性の健康に関わる問題は、「普通の人なら気にもしない、気づきもしないこと」とするにはあまりに深刻で、一人一人にとって鬼気迫る問題であることが、身に沁みてわかる。