米中冷戦の最終段階「軍事衝突」はいつ、どこで勃発するか

中国は「毛沢東式持久戦論」で迎え撃つ
近藤 大介 プロフィール

この新国防長官の「爆弾発言」記事は、どこにも増して北京を「直撃」した。私はこの記事が出た直後、北京である中国の関係者に話を聞いた。すると再び、例の「陰謀史観」が飛び出した。

「アメリカがINF条約を撤廃させた目的が、まさに中国を標的にした中距離弾道ミサイルを、東アジア地域に配備するためだったことが暴露された。配備先の候補は、グアム、オーストラリア、日本、韓国、台湾、フィリピンの6ヵ所だろう。

このうち、トランプ政権が第一候補に考えているのは、日本と韓国のはずだ。なぜなら、配備する難易度とわが国に対する威嚇効果を勘案すれば、この2ヵ国に配備するのがベストだからだ。

 

この目的を達成するため、アメリカは狡猾な戦術に出た。まずは日本と韓国を離反させるように仕向けたのだ。具体的には、日本に対して、『日本から韓国へ渡った半導体関連部品が、北朝鮮や中国に流れて軍事転用されている』と焚きつけ、日本が韓国をホワイト国から除外するよう煽ったのだ。そして日本が韓国に『宣戦布告』すれば、韓国がそれ以上に日本に対して反発することも織り込み済みだった。

アメリカは、そうやって日本と韓国をケンカさせておいて、両国から仲裁を頼まれたところで、『正義の味方面(づら)』して、仲直りさせる。そして両国に仰々しく『貸し』を作った上で、『われわれの本当の敵は中国ではないか』と言って、日韓に中距離弾道ミサイルの配備を迫る狙いなのだ」

8月5日、中国外交部の華春瑩報道官は、定例会見でこの件について質問され、眉を吊り上げて吠えた。

「中距離弾道ミサイルと言うのは、射程距離が限られているから、どこに配備するかが非常に大事になってくる。中国は国土面積が広く、人口も多い大国であるため、必要な国防能力で侵略に抵抗し、主権と領土を完全に防衛していかねばならない。

中国が所有する陸上基地の中距離・短距離弾道ミサイルは、すべて中国国内に配備している。それは中国の国防政策が、防御的な性質を持っていることを示している。それをアメリカが、もしもアジア太平洋地域、特に中国の周辺に中距離弾道ミサイルを配備するなら、それはすなわち非常に強い攻撃性を示していることになる。

もしもアメリカが一方的に勝手に振る舞うなら、国際社会と地域の安全にとって、深刻なマイナスの影響をもたらすだろう。中国は絶対に自身の利益が損なわれるのを座視しない。さらにいかなる国であろうとも、中国の『玄関口』に配備することを許容しない。一切の必要な措置を講じて、堅く国家安全の利益を死守していく。

アメリカが慎重に事を進め、緊張の局面をグレードアップさせず、国際社会と地域の平和的な言動が損なわれないようにすることを望む」