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# 労働

労働法「保護外し」が蔓延…!「労働者ではない人」急増の危ない現実

吉本興業もジャニーズも明日は我が身…

「雇用によらない働き方」のリスク

芸能人の労働問題が話題だ。吉本興業の所属タレントの扱い方や、ジャニーズ事務所による元SMAPメンバーへの圧力をめぐり、公正取引委員会(公取委)から相次いで注意や意見表明がされるなど、「“働き手”としての芸能人」を巡るさまざまな事件が相次いでいるからだ。

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事件が照らし出すのは、雇用契約に近い高拘束があるにもかかわらず芸能人が労働者保護の外に置かれる「雇用によらない働き方」の危うさだ。

じつはいま、経済界には、働き方の変化を理由に、こうした「保護の外の働き手」を増やそうとする動きが高まっている。海外ではむしろ、働き方の変化に即して労働者保護を拡大しようとする動きが主流になりつつあり、「雇用によらない働き手」を保護する仕組みの整備は急務だ。

 

吉本興業事件は、振り込め詐欺グループや暴力団など“反社会勢力”の催しに、著名なタレントたちが「副業」として出演したことが「闇営業」として報道され、問題になった。

だがその後、吉本興業が、これまで所属タレントたちに、雇用等に関する契約書をほとんど交付していなかったことが明らかになり、今年7月24日、公取委の事務総長が「競争政策の観点から問題がある」と定例記者会見で意見を表明した。

加えてSNS上で、吉本興業の所属タレントたちから、「一回の仕事のギャラが1円」(7月26日付「朝日新聞デジタル」)などといった、超低賃金の労働実態を告発するつぶやきが拡散されるなどして、問題の焦点は、背景にある芸能界の就労条件へと移行しつつある。

これに先立つ7月17日には、人気グループSMAPの元メンバーをテレビに出演させないよう圧力をかけていた疑いで元の所属事務所「ジャニーズ事務所」が、やはり公取委からが、「独禁法が禁じる『優越的地位の乱用』を誘発する」と注意を受けている

ほかにも、ファンから受けた暴行事件を公表したアイドルグループNGT48(所属事務所名はAKS)に所属する山口真帆さんが1月、「騒ぎを起こした」と謝罪に追い込まれ、その後、所属事務所から圧力などがあったと主張した。

山口さんの件でも「安全を守るべき事務所が、被害者に謝罪させたのはおかしい」との批判が高まるなど、所属事務所によるタレントへの“支配の不当性”が相次いで問題になっている。