髙橋洋一が提言、夏の甲子園を残酷ショーにしない「合理的改革案」

「最適解」は計算を駆使して導き出せる
髙橋 洋一 プロフィール

大船渡・佐々木が泣いた「休養日」問題

実例に即してわかりやすく考えるために、全国大会(甲子園、出場校49校)と出場校がほぼ同じであった富山大会(出場校48校)とを比較してみよう。

全国大会(甲子園)の日程は16日間だが、1つの球場しか使えないため、ほぼ連日4試合が入っており、準決勝と決勝の前に休養日が1日ずつ設定されている。

一方、富山大会の日程は甲子園に比べて2日少ない14日間であるが、球場が6つもあるために、休養日は6日もあった(下表)。

富山大会で優勝し県代表になった高岡商業は、7月20日と21日、25日と26日が連戦だった。ただし、この連戦は回避可能であり、特に決勝の前に休養日がなかった理由はよくわからない。

これで思い出すのが、今年話題になった岩手大会である。決勝で当たった大船渡高校と花巻東高校はどちらも連戦になっており、大船渡は160km/h台のスピードボールを投げるエース・佐々木朗希投手を、連投回避のため出場させなかった。

これに対して全国的に賛否の議論が巻き起こったが、大船渡高校の監督としては、佐々木投手を酷使したくなかっただけだ。もし甲子園のように決勝と準決勝の間に休養日があれば、佐々木投手は決勝のマウンドに立っていただろう。

 

いずれにしても、いまの甲子園の日程を考えると、球場が1つしかないために、選手などに無理がきていると考えられる。せめて、甲子園の他に3つ球場が確保できれば、準々決勝の前までに中1日か2日の休養日を設定することができる。そのうえで準決勝以降では、中2日の休養日を作れる(下表)。

そう考えると、甲子園球場の他に関西でいくつか球場を確保するよりも、県代表をさらに地区(道州制の場合の「道州」が分け方の参考になる)内で戦わせて、地区代表を選んだほうが自然である。

つまり、現在の原則県レベルで行われる地方大会を、いくつかの県を合わせた「地区大会」にして、「地区代表」を甲子園に集めることにするのだ。