韓国・文在寅政権を襲う「ウォン安&株安」Wパンチのリスク

日本との関係改善が必要なはずだが…
真壁 昭夫 プロフィール

輸出で稼ぐ韓国にとって、ウォン安は重要だ。

半導体の市況は、世界経済全体の景況感に大きく左右される。半導体需要が高まる際、世界経済は米国を中心に緩やかな回復基調にあることが多い。

基本的に米国は、自国の経済が緩やかな回復ペースを維持し、それに伴って世界経済全体が上向き基調にある場合には、多少のドル高には寛大にふるまう。

貿易赤字と財政赤字を抱える米国としては、緩やかなドル高を容認して資本を流入させたい。

その状況は、韓国がウォン安によって輸出収益を“かさ上げ”するために都合がよい。

加えて、北朝鮮と対峙するという特殊事情もあり、米国政府は韓国の為替管理政策にあまり目くじらを立ててこなかったともいえる。

 

ウォン安が蝕む韓国経済の体力

しかし、韓国が輸出主導型の成長を目指すことは難しくなっている。

まず、輸出増加を支えてきた世界の半導体需要が低迷している。

米中の摩擦激化によって世界の貿易量は落ち込んでいる。

韓国最大の輸出相手である中国は、投資に依存した経済成長の限界を迎えた。中国は米国の圧力に対応するために自国内での半導体生産能力を引き上げている。

すでに韓国の輸出は前年同月比ベースで減少トレンドをたどっている。輸出を増やそうにも、世界経済全体で需要が低迷している以上、韓国の自助努力ではどうにもならない部分が多い。

本来であれば文政権は構造改革を進めて先端技術の育成などに取り組むべきだが、左派系大統領である同氏が、本気で改革に着手することはできないだろう。