戦後74年が経っても日本はまだ「アメリカ占領下も同然」という現実

兵器を押し付けられ、カネをせびられて
時任 兼作 プロフィール

2.高額な費用、米国に有利な支払い方法

当初、日本政府はイージス・アショア1基あたりの価格を約800億円と見積もっていたが、その後、1基1340億円と発表した。導入する2基の維持・運用費などを含めると4664億円にもなるというのだが……。

「イージス・アショアが搭載する新型迎撃ミサイル『SM-3ブロック2A』は、1発あたり40億円前後する。これに施設整備費なども含めれば8000億円くらいにはなる。しかも、維持管理費も高額になると見られるため、1兆円は軽く超えるのではないか」

この巨額の費用の支払い方法も問題である。

「米国に有利な武器販売方式(Foreign Military Sales。略称は FMS)で、日本語では対外有償軍事援助と訳されているが、これがとんでもない内容だ。代金は前払いで、価格や納期は変動するし、契約自体解除することもできる。それこそ、トランプ大統領が日米安保条約についてしきりと口にする『不平等』なものだ。前払いだから、米国側は納品までに資金運用までできてしまう悪名高いやり方でもある」

 

3.住民への電磁波の影響

日本政府がイージス・アショアの導入を閣議決定した2017年12月、すぐに野党側から電磁波による配備先住民への健康被害を懸念する声が上がった。政府は被害を否定するばかりで問題を放置しているが、実態は深刻なようだ。

「電磁波の影響は確実にある。イージス艦が電磁波を出す時には、危険防止のため艦上に乗員は出さないし、防衛省も健康被害などさまざまな問題発生を想定して、敷地内にレーダーは置いていない。ごまかしはいけない」

4.過剰装備と欠陥

現在、日本は2021年に8隻ものイージス艦を保有する体制に向けて準備中だが、そうなれば、保有数世界第2位となる。これは米国に次ぐ規模であり、スペインや英国なども及ばない。イージス艦は1隻あたり1500億円~1700億円の建造費を要するが……。

「8隻体制の構築のために、建造費だけでトータルすると1兆数千億円。維持管理費やシステム更新費用などを含めれば2兆円もかけている。そのうえ、さらに1兆円かけてイージス・アショアを導入するなど、無駄と言う以外にない。そもそも、日本を防御するにはイージス艦1隻で足りるとの意見もある」

過剰装備だというのである。

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さらにイージス・アショアには、当初から別の欠陥があることがわかっていたとも言う。

「2017年末に開催された『統合機動防衛力構築委員会』で欠陥が明らかになった。

委員会で『事務連絡』と題する防衛省の極秘文書が提出されたが、そこには『飽和攻撃を受けた場合、全ての弾道ミサイルを迎撃することは困難』『ロフテッド(通常よりも高い角度で打ち上げる)軌道への対処能力が限定的』との記載があった。にもかかわらず、政府は導入を決めた」