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戦後74年が経っても日本はまだ「アメリカ占領下も同然」という現実

兵器を押し付けられ、カネをせびられて

イージス・アショアに新たな問題発覚

7月下旬から8月上旬にかけて、北朝鮮が再三にわたってミサイルを発射した。これが、政府と防衛省内部で波紋を広げている。防衛省関係者は、こう漏らした。

「イージス・アショア(地上配備型ミサイル迎撃システム)が役に立たないことが明らかになってしまった」

今年に入って北朝鮮は、5月、7月末〜8月と、数回にわたってミサイル発射実験を行っているが、実はこれが迎撃困難なものであったというのだ。防衛省関係者が続ける。

「韓国大統領府は7月末の発射の当日、国家安全保障会議(NSC)を開き、『新たな種類の短距離弾道ミサイルだ』との判断を示した。一方、韓国軍当局は、今回北朝鮮が発射した2発が5月に発射した新型の短距離弾道ミサイルと同種か、さらなる改良型の可能性があるとしたうえで、ロシア製の『イスカンデル』に酷似していると指摘した。

このミサイルは、固体燃料を使い移動式発射台から発射するため、事前の捕捉が難しいことに加えて、発射後には通常の弾道弾とは異なる軌道で飛行する特異性があるので、捕捉や迎撃が難しい。しかも飛距離は600kmを超える。つまり、日本は射程距離内にあるが、対応できないということだ」

今まさに、地元自治体から猛反発を受けているイージス・アショアに、さらに新たな問題が発生したというわけだ。

 

5つの「日米不平等」の実態

ここでイージス・アショアに関する問題点を整理しておこう。

1.「アメリカ・ファースト」での導入決定

日本政府は2017年8月の日米外務・防衛担当閣僚会合で、弾道ミサイルの発射を続ける北朝鮮の脅威を理由に、イージス・アショアを購入する方針を米国に伝えた。

さらに同年12月には正式に閣議決定し、秋田県秋田市と山口県萩市に1基ずつ配備すること、2023年度に運用を開始することなど詳細も詰めたが、実はこの過程で、日本ではなく米国の防衛と経済的な利益が優先されたことが、政府内でもひそかに疑問視されていたという。

まず問題視されたのは、配備場所である。

「政府は、イージス・アショアの候補地を多数のなかから絞り込んだわけではない。最初から秋田市と萩市に決めていた。これは米国の安全保障上の理由からだ。

米国のシンクタンク『戦略国際問題研究所』(CSIS)が発表したレポートのなかに「(イージス・アショアは)米国本土を脅かすミサイルに対し、前方に配備されたレーダーの役割を果たしうる」との記述がある。実際、秋田市は北朝鮮とハワイを結ぶ直線上に、萩市は北朝鮮とグアムを結ぶ直線上にそれぞれ位置している」

つまり、ハワイ、グアムの防波堤としての配備だというのである。

また、購入決定の背景には、こんなビジネス上の事情があったとされる。

「日本がイージス・アショア以前に米国から購入していた、ミサイル防衛システム装備などに対する支払いが2017年度に終了する。そこで、次はどうする、ということになった。同時にこれは、『アメリカ・ファースト』『バイ・アメリカン』を公言し、すぐにでも成果を得ようとするトランプ大統領の意向に沿ったものでもあった」