夏の帰省シーズンには、家族のことを考えさせられる機会が増えた人も多かったのではないだろうか。料理家の山脇りこさんによる連載「ごきげんは七難ふきとばす~50歳からの養生日記」、今回は、夫婦のこと、ややこしくなることもある互いの家族のこと、大波小波をどうごきげんに乗りこなすかについて。山脇さんが50代になって感じていることを率直に書いてもらいました。

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「親より大事、と思える人と結婚しなさい。」

結婚するときに、結婚の先輩方からいくつかのアドバイスをもらった。このうち私が結婚後、よく思い出したのが、ひとまわり上の従姉からのアドバイスだ。
親より大事!と思える人と結婚しなさいよー
彼女は厳格な親から結婚を猛烈に反対されながらも、押し切って結婚した。

がけっぷちに2人いたら、どっちを助けるか?なんていう、タラレバ&悪趣味な質問はさまざまな設定であるけど、現実に夫(妻)か親かどっちかを選ばなければならない局面は、そうそうあることではない。が、その延長線上にある小さな選択にはしばしば出合う。

だから、夫も大事、親も大事だけど、この人と結婚しようって時に、優先順位を考えてみるのはいいいかもしれない。覚悟の確認と言いかえてもいいのかもしれないけど。
結婚する時点では、盲目的に好きすぎてわからなかったとしても、その後も折に触れて考える。まったくもって優先順位が下がる一方なら、別れたほうがいいだろうし。にもかかわらず、諸般の事情で一緒にいるのは、自分の時間ももったいない。思っているより人生は長いし、可能性に満ちている。そして一度きりだ。

お互いの親を大切と思うか?

おもしろいことに、両人が、なによりお互いが最優先、いちばん大切と思っていると、おのずと、両方の親を大切にすることになる。自分にとって大切な人の、大切な存在だから。

もちろん、親子関係も様々なので、そうシンプルじゃないケースもあるだろうけど、少なくとも、愛する人が大切に思っている親なら、傷つけたり、ないがしろにしたりはできない。
親孝行、したい時には親はなし、なんて悲劇に、お互いがならないように、お互いを思いやれる。これはどっちかが尽くせとか、我慢しろというのではない。

だいたい、同じクラスにいたら大親友になるわーっていう義理の親に出会うなんてことは、あればラッキーだけど、まれだと思う。世代も違うし、そうなるにしても時間がかかるだろう。あくまで、自分が好きになったのは彼らの息子(娘)。
そこもしっかり認識していれば、選んだわけでもない義理の親に優しくしてくれる夫(妻)に感謝する。そして夫(妻)が好きで大切なら、過度な負担になることや、大きな犠牲を払うようなことは要求しないはず。

そもそも、親が会いたいのはあくまで自分の子。私はいつも夫に、会いに行きなよー、電話しなよーと言っている。なにせ、世の中で数少ない、代わりがいない、代わりができないことだから。

そんなのきれいごと!と怒られそうな難しいケースもあるとは思う。それでも、最後に支えになり、解決する力になるのは、“他人が親族になったきっかけ”である自分たち夫婦が、仲がいいってこと、それにつきるんじゃないだろうか。

つまり、ふたりの仲がうまくいっていれば、大概はなんとかなるのではないか