クサ〜い「おじさん臭」、原因の9割は「見た目」かもしれない

加齢臭だけが問題ではない
五味 常明 プロフィール

なぜなら加齢臭が誰にでも起こるものであるように、ニオイは生きている限り誰もが発するもの。その人の生活臭であり個性なのです。むしろ、自分のニオイは精神を落ち着かせる働きもあります。私の子どもは小さい頃、洗濯したばかりの枕カバーでは眠ることができませんでした。自分のニオイが染み込んだ枕のほうが落ち着くからです。つまり極論を言えば、本来はワキガだろうが何だろうが、自分が不快でなければニオイを気にする必要はありません

けれど昨今、「スメルハラスメント」という言葉もあるくらいですから、自分自身は気にならなくても、自分のニオイが職場の同僚を嫌な気分にさせているのではないかと悩むおじさんは多い。

ニオイそのものよりも、周りに迷惑をかけることを心配し、その延長で自己否定感を抱き、何事にも消極的になっていく。自分の殻に閉じこもって、会社に行けなくなる人もいます。

さらに深刻になると「自己臭」と言って、周囲は気にしていないのにもかかわらず、自分は臭いと思い込んでしまう。ここまでくると一種の病気です。ニオイの問題は周囲の迷惑ばかりがクローズアップされていますが、本質はむしろ悩んでいる人たちの心にあるのです

 

ここまで「おじさん臭」が嫌悪されるのには、世の中の方向性の変化もあるかと思います。今は男性が中性化していて、男性のニオイ、女性のニオイと区別するのではなく、中性的なニオイが求められています。医学的に「中性臭」というものはありませんが、「男性らしいニオイよりもニュートラルなニオイでいたい」という傾向があるようです。だからこそ、若い女性のピーチの香りをまといたくなる。デオコの人気はそういう社会を反映しているのかもしれません。

そうした意味では、私は中年男性がデオコを使うことを否定しません。おじさん臭が消えると感じ、それが自分の自信につながるのであれば、むしろどんどん使うべきです。デオドラントは“自信回復剤”でもありますから。

とにかく一番ダメなのは、「おじさんになったから臭いと思われるのは当たり前」だと諦めてしまうこと。生活と身だしなみを整えておじさん臭を個性に変えれば、周囲も受け入れてくれるはず。ニオイに囚われない充実した日々を送るべきなのです。