クサ〜い「おじさん臭」、原因の9割は「見た目」かもしれない

加齢臭だけが問題ではない
五味 常明 プロフィール

ニオイは濃度によって人に与える影響が異なります。例えば、芳香剤にもよく使われるジャスミンの香りに含まれる「インドール・スカトール」という成分。勘のいい人は名前でお分かりになるかもしれませんが、これは動物の便にも含まれるもので、濃度を高めると便のニオイになるんです。加齢臭はチーズや古本のニオイに例えられますが、これもノネナールが増えすぎたからなんです。

ノネナールが増える原因は肥満です。肥満は糖尿病や高血圧など生活習慣病の発症に影響しますが、前述の9-ヘキサデセン酸も増やしてしまう。つまり、暴飲暴食を控える、運動不足や睡眠不足に気を付けて規則正しい生活を送るという生活習慣病の予防が、加齢臭の予防にもなります。

ただ、中高年の男性が対処すべきニオイは、なにも加齢臭だけではありません。私がニオイに悩む中高年男性と対面していて違和感を持つのは、嫌われるおじさんのニオイ、いわゆる“おじさん臭”がすべて加齢臭だと勘違いしている点です。

もちろん、加齢臭もおじさん臭の原因の1つですが、その他にも口内や頭皮、汗、衣服など人間が発するニオイはさまざま。こうしたニオイが混ざったものがおじさん臭となって、周囲に不快感を与えているのです。だからこそ、ニオイの原因に応じて対策を講じることが大切なんです。

 

気を付けたい「ミドル脂臭」

実は体臭の中でも特に気を付けたいのが「ミドル脂臭」。「ジアセチル」という成分がニオイの元凶で、少量でも使い古した油のような悪臭を発します。女性が生理的に嫌うニオイなので、ミドル脂臭を発する男性は否応なく女性に嫌がられることでしょう。

ジアセチルは汗の中に含まれる乳酸と、皮脂が酸化してできる中鎖脂肪酸が結合することで発生します。同じく皮脂腺で形成されるノネナールが40代以上の男性に多いのに対し、ジアセチルの分泌が盛んなのは30~40代の比較的若い世代。主に後頭部から首の後ろにかけて発するので、朝起きた時に枕からニオイがしたらミドル脂臭の疑いがあります。

このミドル脂臭を抑えるにはどうすればよいか。皮脂の酸化が原因なので加齢臭同様、生活習慣病の予防をすること。また、日々の疲れを溜めないことです。

疲労が蓄積されると、血中の乳酸濃度が濃くなるため、ミドル脂臭を発しやすい身体になります。具体的な対策としては、血行がよくなると乳酸が流されるので、疲れた時はぬるめのお風呂にゆっくり浸かるといいでしょう。また、適度な有酸素運動も乳酸を蓄積にくくする効果があります。