上野に出現した「リアル三国志」の最たる見所は、まきびしです

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箱崎 みどり プロフィール

「図録で予習して行きたい」という人は、すでに特別展「三国志」への熱意は十分かと思いますが、そこまでではない方も、どんなものなのか、特別展「三国志」の情報を手軽に見てみることができます。

そう、写真撮影がオーケーなので、会期中の今は、既に足を運んだ人たちが、インターネット上に写真を続々とアップしてくれています。こうした写真と感想を眺めて、何となく見たいものに目星をつけておくのも良いと思います。

自分が気に入った角度から写真を撮ることもできますが、あれもこれも、手元に写真で残しておきたいと、ついついたくさん撮ってしまうので、まずは見ることに集中して回り、その後、お気に入りのものを重点的に撮影して回るのがおすすめです。

揺銭樹台座(ようせんじゅだいざ) 土製 後漢~三国時代(蜀)・3世紀 2012年、重慶市豊都県林口墓地2号墓出土 重慶市文化遺産研究院蔵

戦後日本を代表する「三国志」も

特別展「三国志」は、三国志に初めて触れる人でも楽しめるような工夫が凝らされています。要所にある「入門講座」に、実寸大で再現された曹操の墓、展示室いっぱいに矢が飛び交う様子など、足を踏み入れただけで、わくわくする展示も。

さらに、昭和から今に至る日本の「三国志」文化を代表する、小説・吉川英治『三国志』、漫画・横山光輝『三国志』、NHK「人形劇 三国志」、ゲーム・「真・三國無双」が揃い踏みしています。親しみやすい形で、三国志の世界に誘ってくれます。

特別展「三国志」に登場する「日本の三国志」は、どれも定番といってよいものですが、ビジュアルだけ見ても、まったく違います。でもどれも、孔明であり、曹操であり、関羽であることは、よく分かります。

ここから感じてほしいのは、バリエーション豊かな、日本の「三国志」の姿です。

「グルメ三国志」に「男女逆転三国志」まで

お話を読んだことがなくても、「三国志」という言葉を聞いたことがない方はいないのではないでしょうか? 「三国志」は日本の文化の中に、昔から取り込まれているのです。

同時代の日本の女王・卑弥呼の名前は、歴史書『三国志』に出ていますし、新元号・令和で話題になった『万葉集』にも、『三国志』に出てくる医者・華佗の名前が出てきます。

江戸時代に、小説『三国志演義』が翻訳されると、一気にフィーバー! 歌舞伎の十八番にも、三国志の登場人物の名を冠した「関羽」がありますし、三国志を題材にしたパロディ本もたくさん生まれました。

例えば、江戸に実在した料理屋さんが出てくる「グルメ三国志」、登場人物が吉原に遊びに行く「花街三国志」、登場人物の男女を入れ替えた「男女逆転三国志」……中には、「三国志」の名場面をもとにした、春画まで!

明治時代になると、「三国志」の中から孔明が選ばれ、明治の世の中が求めた悲劇の忠臣に。日中戦争中には、敵国・中国を知るために「三国志」ブームが訪れるのです。

こうした“三国志の日本史”に迫るのが、今日、発売された『愛と欲望の三国志』です。

「三国志」に興味が出てきたというあなたは、ぜひ、東京国立博物館に! そして、特別展「三国志」を観て、実際の「三国志」を読んでみたくなったら、その前に、『愛と欲望の三国志』を読んでください。

日本での「三国志」の歴史(ある意味、日本での「リアル三国志」です!)、そして、現代日本に、どんな「三国志」があるのか、あなたにぴったりの「三国志」も分かりますよ!

『愛と欲望の三国志』(講談社現代新書)は本日発売!
展覧会名:日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」      開催期間:9月16日(月・祝)                     会場:東京国立博物館 平成館                     【巡回】2019年10月1日(火)~2020年1月5日(日) 九州国立博物館