1800年前に使われた撒菱

上野に出現した「リアル三国志」の最たる見所は、まきびしです

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8月に入り、東京では暑い日が続きましたが、特に今、上野が熱い!

東京国立博物館 平成館で特別展「三国志」が行われているからです。キャッチフレーズは、「リアル三国志」!。その名の通り、三国志の時代を今に伝える、リアルなモノがずらりと並んだ展覧会です。

この夏一番熱いイベント特別展「三国志」の見どころを、「三国志」が好きすぎてたまらず、本日『愛と欲望の三国志』(講談社現代新書)を刊行した私が、独自の視点でご紹介します。

卑弥呼の時代のものが集う

まず、いつ頃のものが展示されているかと言うと、三国志の時代は、日本史で言えば、卑弥呼と同じくらい、だいたい、2世紀から3世紀です。

実は、このタイトルで展示ができるのは、令和の時代ならではなんだそうです。

ここ10年、三国志の時代にまつわる考古学的な発見が相次いだので、“リアル三国志の展覧会”を開けることになったんです! 三国志の時代の貴重な品々が160件以上集まった、三国志の時代の空気を感じられる、三国志の時代にタイムスリップできる展覧会なのです。
 
以前は、三国志の時代のものだと確実に言える出土品は少なかったそうです。

確かに、私も10代の頃、古代中国の展覧会に行っては、<漢>や<唐>に混じって、<三国時代>という解説が出てくるのを心待ちにしていましたが、その頃、<三国時代>と書かれているものは、鏡と木簡だけだったように記憶しています。

そこから考えると、今回の特別展「三国志」の展示品の豊かさ・華やかさには、隔世の感があります。武器や日用品、当時の生活が窺える副葬品など、見て楽しいものばかりなんです。

「本当に曹操のお墓なの?」

特に注目なのは、曹操(そうそう)の墓からの出土品です!

三国の一つ、魏の基礎を作った英雄、曹操の墓も、約10年前、2008~2009年にかけて発掘されました。

曹操は、小説『三国志演義』の主人公・劉備最大のライバル。そのお墓からの出土品が中国国外で公開されるのは、初めてで、これを逃すと中国に行っても見られるか分からない、貴重なものです。

せっかくあなたの近くまで来ているのに、見逃したら一生後悔しますよ! 曹操の墓だけで、上野に出掛ける理由は十分です。

「本当に曹操のお墓なの?」

そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。私も、自分が生きているタイミングで、今まで見つからなかった曹操のお墓が出てくるわけがない、と初めは思っていました。

ところが、見つかった墓は、史書に残された場所の記述とも合致し、考古学的な知見も、曹操の墓であることを示しています。決定的だったのは、「魏武王」と、曹操を示す名が彫られた石の板<石牌(せきはい)が出てきたこと。逆に言えば、曹操の墓であることを否定する材料がないのだとか。

副葬品に華美なものはなく、曹操が遺言で、「葬儀は簡素に」と命じたという史書の記述とも一致します。曹操の美学とも言うべき、シンプルな美しさをぜひ味わってみてください。

その他、貴重なもの、みどころはたくさんありますが、ここからは、小説『三国志演義』のファンである、私の個人的なおすすめポイントを挙げていきます!