大人気「いらすとや」には「ユニコーン企業」並みのポテンシャルがある
素材サイトのタブーを破って急成長「いらすとや」のライバルは?
「いらすとや」といえば、大企業や公的機関が素材を使用したり、ユニークな素材がリリースされたりすることで度々SNSを賑わせるフリー素材サイトというイメージが一般的ではないでしょうか。
*今回の記事のイラストも、すべて「いらすとや」のものです。
一方で、「ユニコーン企業」とは、非上場企業にもかかわらず、おおむね10億ドル(およそ1,089億円)以上の時価総額を有する企業のことをいいます。
海外ではUberやAirbnbなどが有名ですが、日本ではプリファードネットワークス 、Liquid、スマートニュースの3社がユニコーン企業であるといわれており、国内における次のユニコーン企業が待ち望まれている状況にあります。
ここで筆者は、いらすとやがただのフリー素材サイトにとどまらず、Uberなどに代表されるユニコーン企業並みのポテンシャルを秘めていると考えます。
その理由は、いらすとやが素材サイトのあり方を根本的にかえるビジネスモデルを展開しているからです。
私たちが普段WEBや広告などで見かけている写真やイラストは、素材を製作する企業によるものがほとんどです。
素材を取り扱う企業の中で、最もネームバリューがある企業はアドビです。アドビはクリエイティブ領域のインフラともいうべき存在で、そのビジネス領域は素材(「Adobe Stock」)だけにとどまりません。
PDFビューワーの「Adobe Acrobat Reader」や、画像編集ソフトの「Photoshop」といった、ビジネスにも深い関連を持つプロダクトも提供しています。現在、アドビの時価総額はおよそ15兆円以上にもなっています。
素材製作に特化した企業として有名なのは、ニューヨークに本社を構えるシャッターストックです。シャッターストックは、クォリティの高い素材をライセンス販売することで成長し、現在は1,500億円程度の時価総額を有しています。
これだけの時価総額があるにもかかわらず、両者が製作した素材の例をパッと思つける人はほとんどいないのではないでしょうか。
しかし、いらすとやの素材であればいくつか印象的な素材を思い浮かべられるかもしれません。この点に、いらすとやにあって大手の素材会社にないポテンシャルが秘められています。