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老後2000万どころか「すごい退職金」をもらっている会社もある

JAL8000万、東芝4000万……

終身雇用の夢は潰え、退職金は年々減るばかり。その一方で、会社員平均の2倍を軽く超える退職金を出す大企業もいまだに多数存在する。老後生活するおカネに不安がないとは、羨ましい限りだ。

年額150万円が終身で

「この特集に載っている、有名企業OBの退職金を見て、ある意味で『日本のいちばんいい時代』に、有名企業を勤め上げた人たちだな、と率直に思いました。

'70年代後半から'80年代前半に就職した世代は、バブルを経験して給与水準も高く、それでいて退職金もピークに近い額を受けとっている人が多い。大手では、いまだに退職金が高止まりしたままの企業が多数あります」(獨協大学経済学部教授の森永卓郎氏)

東京海上日動4800万円、東芝4100万円、東京電力5100万円――。有名企業の元社員が手にした、生々しい退職金の「実額」を掲載したのは、『週刊ダイヤモンド』(7月27日号)である。

こちらには企業名と退職金の額に加え、退職時の役職や退職時期、就職時の学歴が新卒か否かなども明記されている。

老後資産の大きな支えになる退職金。だが、「終身雇用神話」があった一昔前ならいざ知らず、決して多くはない金額を手切れ金のように渡され、頭を抱えている人も多いはずだ。

厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、日本企業の約5社に1社では退職金制度がそもそも存在しない。さらに退職金の平均額も、20年前と比較すると3203万円('98年)から1997万円('18年)と、1000万円以上減っている。

ところが件の特集を開くと、今や中高年の最大関心事ともいえる「老後2000万円」問題など、まるで私たちには関係ありませんというような数字が並んでいる。

 

とりわけ破格の退職金を貰っているのが、ガスや電力などのエネルギー、航空会社や通信などインフラを扱う業界だ。

たとえば、大阪ガスの理事まで上り詰めて退職したOBは、年間400万円を企業年金の形で15年間、合計で6000万円超の退職金を受け取る予定だという。さらに16年目以降は年間150万円の年金が「終身で」支給されるのだ。

当然のことながら、企業年金に合わせて国民年金や厚生年金といった公的年金も満額受給することになる。合算すれば、現役世代の社員たちを凌駕する収入で余裕のある老後生活を送っているのではないか。

また、石油業界再編の末に誕生したJXTGホールディングスの元部長は、在籍約15年でありながらも約6300万円の退職金を受け取っている。

「エネルギー関連は規制産業で長いあいだ寡占状態にあるうえ、再編が進んでもまだ莫大な内部留保のある企業もあります。

また島国である日本は海運や空運が無くなることはなく、従業員の権利も保障されてきた歴史があります。そのため、社員は長い間、手厚い福利厚生を享受してきたといえるのです」(経済ジャーナリストの溝上憲文氏)