小島健輔が指摘「バーニーズ破綻の原因は『家賃』ではない」

立て直しは難しい
小島 健輔 プロフィール

そんな“金ピカ”モードは姿を変えながらも2008年の「セックス&ザ・シティ」頃までは生きながらえたが、リーマンショックで凍りついた。

バーニーズが往時のバブル感覚を引きずった一方、セレクトデパートメントストア(セレクトショップ複合型百貨店)のノードストロムは世代とライフスタイルの変化に対応して業績を伸ばし、最先端の感性ではドーバーストリートマーケットなどに大きく水を開けられた。バーニーズのファッションセンスはとっくに“オワコン”となり、マーケットに存在場所がなくなっていたのが現実だ。

加えて、経営面では販売消化力に見合わない重在庫体質が指摘される。人気が凋落して販売効率が低迷するにつれ、在庫負担が経営を圧迫していったのではないか。

店舗の少数分散に無理があった

米国のデパートチェーンやセレクトチェーンのブランド調達は「エクスクルーシブ・バイイング」(我が国で言う「別注」に近い)という品番単位の独占仕入れで勝負しており、全米か四地区(西海岸/東海岸/中南部/中北部)いずれかのエクスクルーシブが成り立たないと値入れが稼げず、店間移動も売価変更も自由にできず、ロット調達した商品の消化も見込めなくなる。

ニューヨークやボストン、ロサンゼルスやサンフランシスコなど大都市のダウンタウンに少数の店舗が点在するというバーニーズの店舗布陣では全米はもちろんエリアごとのエクスクルーシブも成り立たず、値入れを稼ぐべく大量調達しても店間移動と売価変更が制限されて消化が進まず、在庫を抱えての綱渡りになってしまう。それは96年当時も今日も何も変わっていない構造的欠陥だ。

 

その壁を越えるには東海岸か西海岸に集中出店してドミナントエリアを確立するしかないが、それには膨大な投資が必要で、運転資金にも四苦八苦する状況では実現は不可能だ。

すでに“オワコン”化してブランドイメージも落ちたバーニーズにそんな巨額投資をするスポンサーが現れるとは思えず、現状での立て直しとなるといずれ三度目の破産法申請も避けられないだろう。ブランドイメージも経営も“オワコン”化したバーニーズに明日は見えない。