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小島健輔が指摘「バーニーズ破綻の原因は『家賃』ではない」

立て直しは難しい

96年に続いて2回目の連邦破産法11条(チャプター11)を申請して破綻した米国バーニーズだが、様々な報道がことごとく『NYマディソン街旗艦店の高家賃が破綻の要因』と決めつけているのは疑問に思う。

なぜなら、バーニーズNYマディソン街旗艦店の家賃は値上げしても周辺相場より格段に安く、破綻の要因は他にあるからだ。

今回も店舗整理は中途半端

春先から破産法申請の噂が絶えなかった米国バーニーズ・ニューヨーク社が8月6日、連邦破産法11条を申請して経営破綻した。

連邦破産法11条は債務整理と事業再生を法的に執行するもので、再生計画が整っていればつなぎ融資も受けられるし、その間に債務整理の見通しがつきスポンサーが現れれば再生へ、ダメなら事業を清算することになる。

今回の破産法申請では投資ファンドなどから7500万ドルの融資を確保しているから、再生を前提とした周到な債務整理と見るべきだろう。

 

96年の破産法申請では店舗網の整理が徹底されず、今回もシカゴ、ラスベガス、シアトルなど7店を閉鎖するが、家賃負担が破産法申請の引き金を引いたとされるNYマディソン街の旗艦店、同じ大家から借りているビバリーヒルズ店、サンフランシスコ店やボストン店はもちろん、重在庫のはけ口となるバーニーズ・ウエアハウス2店も残される。

NYマディソン街旗艦店の高家賃が破綻の要因ならいの一番に撤退すべきなのに残され、破綻前に検討されていた4階までのフロア圧縮や家賃の減額も発表されていない。

同じ大家から借りているビバリーヒルズ店も残されるわけで、バーニーズ社と大家のアシュケナージ・アクイジション社の関係はバーニーズ社が破産法を申請しても極めて友好的だ。19年2月1日付の賃貸契約更新で年家賃が1600万ドルから3000万ドルに改定されたとは言え、周辺相場と比較すれば法外なほど安い。