法務省も困惑…相続は「早いもん勝ち」に変わっていた

相続法改正「最大の抜け穴」をご存知か
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便利な仮払い制度だが落とし穴もある。

「実は、どんな口座からでもおカネを引き出せるわけではないのです。定期預金の場合、満期が来ていない分は払い戻しの対象にならないことがある。仮に定期が1000万円あっても、普通預金が数十万円しかなければ微々たる額しかおろせません」(前出・内藤氏)

老親が生前のうちに定期預金を解約し、普通預金に移してもらうように頼んでおけば、他の肉親に先んじて遺産を手にすることができてしまう。

 

保険金を独占

「早いもん勝ち」なのは生命保険についても同じだ。そのうえ生命保険では、莫大な保険金を自分1人で、しかも簡単な手続きで手にできる。

老親の死後に保険金をもらうには、受取人になっておく必要がある。保険金の受取人になるには老親の承諾が必要だが、他の相続人である兄弟に受取人になることを伝える必要はない。

「老親には、相続税の納税資金が必要、最低限の遺産である遺留分を請求されたときのための現金が欲しいなどの理由を伝えることが大切です。納得してもらったうえで合法的に保険金をもらいましょう」(前出・山本氏)

まずは保険証券で証券番号を確認し、保険会社の窓口か電話で現在の受取人を確認する。免許証のコピーなどの本人確認書類を用意し、保険会社の所定の請求書に記入して老親に提出してもらえば、受取人を変更できる。

いざ老親が亡くなれば複雑な手続きは必要ない。面倒な遺産分割協議とは無関係に、生命保険は老親の死後すぐに保険会社に連絡をいれれば、通常1週間ほどで保険金が振り込まれる。

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生命保険を利用することで得られるメリットはそれだけではない。生命保険には、大きな非課税枠(500万円×相続人の数)があるのだ。

母親が亡くなり、長男と次男が相続をするケースで、長男が1000万円の生命保険の受取人になっているとする。この場合は、500万円×2の1000万円が生命保険の非課税枠なので、長男は無税で1000万円を相続できる。

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