Photo by iStock

法務省も困惑…相続は「早いもん勝ち」に変わっていた

相続法改正「最大の抜け穴」をご存知か

土地も貯金も保険も、他の親族の同意がなくても、先に手続きさえしてしまえば、あなたのものに。実はそんな「抜け穴」が今回の法改正で生まれた。この問題をずっと取材してきた本誌だから気付いた「悪魔の相続術」、具体的にどうやればいいのかを紹介する

専門家も新ルールに大混乱

「やはり、気づいてしまいましたか。たしかに、今回の法改正には、大きな問題があります。

これまでのように、きちんとした遺言書を書いておき、四十九日を過ぎてからゆっくり実家の名義変更をするという相続の常識が通用しなくなってしまいました。

専門家たちの間でも、この話題で持ち切りです。遺言執行を行っている信託銀行の中には、これまで通りのサービスを継続できるか検討に入ったところもあると聞きます」

こう話すのは司法書士・内藤卓氏である。

7月1日から相続に関する改正民法が施行となった。夫の両親を介護していた妻も遺産がもらえる特別寄与料や、トラブルのもとになる不動産の共有名義を避けられる遺留分侵害額請求など、これまで相続の実態に合っていなかった法律が、約40年ぶりに改正された。

 

さらに来年4月からは配偶者居住権がスタートし、夫の死後「妻が自宅に住み続ける権利」を設定できるようになる。

一見いいことずくめの改正であるかのように、雑誌や新聞でも連日特集が組まれている。しかし今回、本誌はこの改正にひそむ「抜け穴」に気づいてしまった。
ずばり言おう。

7月1日から相続が「早いもん勝ち」になってしまったのだ。

これまでの相続では、遺言書の内容が絶対だった。仮に「長男に実家を相続させる」という遺言書があれば、弟は不服でもその通りにしなければならなかった。

そうした感情のもつれが「争族」の原因になるのだが、今回の法改正で、その原則と言えるものが崩れてしまったのだ。