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中国「為替操作国」認定、ついに世界で「中国企業締め出し」が始まる

そして世界はふたつに割れる

中国にとって大きな打撃

米国のトランプ政権が中国に制裁関税第4弾を発動し、為替操作国にも認定した。トランプ政権の対中制裁はこれで終わりではない。次は「米国証券市場からの中国企業締め出し」に動くのではないか。

相次ぐ対中制裁を受けて、世界の金融市場は大荒れになった。株式市場は急落し、中国の人民元相場は続落した。トランプ氏は「中国が人民元安に誘導している」と批判し、為替操作国に認定した。だが、これは本来の意図と言葉の意味からすれば、話は逆だ。

 

人民元は昨年来の米中貿易戦争を嫌気して、継続的に下落してきた。中国の通貨当局は人民元の下落を放置すれば「本格的な資本逃避につながりかねない」と懸念して、虎の子の外貨準備を取り崩して、人民元を買い支えしてきた。

実際、中国の外貨準備高は人民元安傾向と逆相関するように、2018年から趨勢的に減少している。そんな中、米国が中国の人民元買いを「為替操作」と批判して、市場介入を止めさせれば、人民元は一段と下落する。

そうなれば、米国が望む人民元高どころか、逆に人民元安を招いてしまう。つまり、本来であれば、トランプ氏は「為替操作を止めろ」ではなく、逆に「為替操作=市場介入して高値を維持せよ」と要求すべきなのだ。だが、こんな話はトランプ氏に通用しない。

トランプ氏にとっては「人民元の下落放置が為替操作」であって「放置は止めて市場介入せよ」という話になっている。人民元安になると中国製品の輸出価格が下落するので、制裁関税の効果が薄れる。だから「人民元安の容認で制裁関税を相殺しようとするのは許さない」というのだ。

為替操作国の認定は、対米貿易黒字が年200億ドル以上、経常黒字が国内総生産(GDP)の2%以上、為替介入による外貨購入がGDPの2%以上といった基準がある。中国は貿易黒字基準しか満たしていないが、トランプ氏は定義などどうでもいいのだろう。

そもそも、中国が普通の市場経済国でないことを考えれば、人民元が通貨供給量や国際収支との関係で理論が想定する通りの相場水準に収まっている、とは限らない。最初から「為替操作」によって低く設定された水準が、米中対立で一段と下がった可能性もある。それなら、トランプ氏の指摘も間違いとは言えない。

一方、制裁関税の第4弾は分かりやすい。中国が米中交渉で動こうとしないから、知的財産保護や国有企業に対する補助金問題で中国が折れてくるまで、トランプ氏は3000億ドル分の輸入に対して10%の制裁関税を続ける、と表明した。

これとは別に、トランプ氏は世界貿易機関(WTO)に対しても、中国を含む途上国優遇政策を見直すよう要求した。90日以内に見直しがなければ、米国は一方的に途上国に対する優遇措置をやめる、と宣言している。もちろん、これも中国に打撃だ。

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