WHOも有害と断定「新型タバコ」医師が語る本当のリスク

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田淵 貴大 プロフィール

そもそもIARC(国際がん研究機関)は科学的根拠に基づき、「タバコの煙』自体が有害物質(発がん性物質)だ」と判定している。

この判定の根拠となったデータというのは、現実社会における人々の記録である。人々が「タバコの煙」を吸ったかどうか記録され、その人が追跡され、がんにかかったかどうかが調べられてきた。そういうデータを沢山集め、科学的根拠に基づいてタバコの煙には発がん性があると判定している。

実は、これまでの50年以上にわたるタバコのリスク研究全部をもってしても、紙巻タバコの有害性のメカニズムの全容は完全には分かっていない。タバコには5000種類以上の化学物質が含まれ、すべての物質について研究することは不可能だからだ。

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しかし、だからといってタバコの害が不明だとはならない。少なくともタバコを吸うと、肺がん、心筋梗塞や脳卒中など様々な病気に罹ることは分かっている。ここで重要になる予防の観点は、途中のメカニズムがどうであろうと、紙巻きタバコであれ加熱式タバコであれ、とにかく「タバコの煙」を吸うことを防ぐことができれば、病気を防げるということである。 

人々をがんなどの病気から守るために、われわれは人々をタバコの煙からできるだけ遠ざけなければならない。

具体的には、禁煙支援を実施したり、受動喫煙を防止するために屋内を禁煙にしたり、学生にタバコの害を教えたり、社会的にタバコは許容できるものではないとの規範を広めたり、タバコを規制する法律を作ったりしていかなければならないのだ。タバコの煙自体を有害物質だと判定し、タバコの害についての認識を共有したことがタバコ対策の発展へとつながっているのである。

 

新型タバコにはまだ長期間の記録がない。新型タバコの研究は従来の紙巻きタバコより難しく、病気のリスクはしばらく解明されないかもしれないが、有害性物質が出ている以上、規制の対象だとすべきではないだろうか

新型タバコに対してわれわれはどう対応していけばいいのか? WHOの最新レポートが一つの答えを示している。