WHOも有害と断定「新型タバコ」医師が語る本当のリスク

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田淵 貴大 プロフィール

さらにタバコ会社の巧妙さがうかがい知れるのは、きまって有害物質が減っている”という内容を伝えているのであって、“病気が減る”と言っているわけではないことを説明する、言い訳じみた注釈をつけている点だ。

『有害性成分の量を約90%低減』の表現は、本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではありません。

このような注釈が、すべての加熱式タバコで同じように書かれている。それも、ここなら読まれないだろうというような場所に書かれている。

とりわけ、グローの注釈はひどい。抜粋すると、“「害も大幅に低減」の表現は、健康に及ぼす悪影響が小さいことを意味するものではありません”としていて、日本語として激しく矛盾している。注釈さえつければ、なんでも書いても良いというわけではないはずだが。

gloのパンフレット。WHOがあたかも認めたかのように記載しているとして非難を受けた

「タバコの煙」がある以上、有害だ

加熱式タバコの有害成分の量はどうなっているのか。その有力な情報源の一つとして欅田ら研究グループによる実験結果がある。基準となる紙巻タバコ及びアイコス専用スティックから出る有害物質の量がそれぞれ調べられた。

紙巻タバコ1本あたり、ニコチンが2100㎍、一酸化炭素が33.0mg、ベンゼンが110㎍、ホルムアルデヒドが41㎍、タバコ特異的ニトロソアミンが838.2ng、グリセロールが1800㎍、粒子状物質総量として34mg、出ていると分かった。

一方、アイコス・スティック1本あたりでは、ニコチンが1200㎍、一酸化炭素が0.44mg、ベンゼンが0.66㎍、ホルムアルデヒドが4.8㎍、タバコ特異的ニトロソアミンが70.0ng、グリセロールが4000㎍、粒子状物質総量として39mg、出ていると分かった。

 

上記の数値や他の論文からの情報も合わせて考えると、加熱式タバコから出る有害物質の量は、紙巻タバコと比べてニコチンやホルムアルデヒドなど少ない物質はあるものの、有害物質の種類自体は紙巻タバコと同様に多い。また、未知の物質など減っていない物質も多くあるようだ。