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WHOも有害と断定「新型タバコ」医師が語る本当のリスク

あなたもダマされていませんか?

2019年7月26日、WHO(世界保健機関)は世界のタバコ問題に関する最新レポートを公表し、「アイコス」や「グロー」、「プルーム・テック」などの加熱式タバコや電子タバコといった新型タバコに対して「間違いなく有害であり、規制すべきだ」と表明した。

タバコ会社は近年、新たな顧客を開拓するため、新型タバコ製品について「従来型タバコよりも有害成分が少ない」と主張し、積極的に売り込んできた。そのため、多くの人たちが新型タバコの“有害性”について誤解している。こういった状況のなかWHOは、タバコ産業が広める新型タバコは人類に対する脅威だと警告したのである。

 

本稿では、なぜ人々はその有害性を誤解しているのか、その有害性が間違いないとされる背景にはどういった事実や判断があるのか、について述べる。より詳細情報については拙著『新型タバコの本当のリスク アイコス、グロー、プルーム・テックの科学』をご覧いただきたい。

「病気になりにくい」という誤解

新型タバコについて多くの人が「有害ではない」と誤解しているようだ。これは、タバコ会社による広報・マーケティング戦略が強く影響したものと考えられる。

実際に日本で売られている主要な加熱式タバコ3製品のパンフレットを見比べると、同じような文句が並ぶ。アイコスでは「国際公衆衛生機関が優先する9つの有害性成分の量の低減率が約90%」、プルーム・テックでは「健康懸念物質を99%オフ」、グローでは「有害性物質約90%オフ」と書かれている。

アイコスのパンフレットからの抜粋

有害性成分、健康懸念物質、有害性物質と字面がそれぞれ違うものの、これらのパンフレットは共通して「有害性物質が紙巻タバコと比べて減っている」と書かれているだけで、「病気にかかるリスクが減る」とはいっさい書かれていない。しかし、世の中の多くの人は、これらの情報を見て「紙巻タバコを吸うよりも病気になりにくい」と認識してしまっている。

タバコ会社の人は戦略的に、このような誤解を生み出すような広告を作ったのではないだろうか。