「ドーミーイン」が満足度1位、出張族・家族連れに選ばれるワケ

妥協なき大浴場がスゴい
瀧澤 信秋 プロフィール

ドーミーインの魅力

ホテルといえばステイする場所であり、客室の快適性は最も重視するポイントだろう。ドーミーインに特徴的なのが、入り口と水回り/ベッドスペースを仕切る引き戸だ。水回りスペースと仕切られることにより、客室滞在のリラックス効果を高める。デュベスタイルのベッドメイク(掛け布団カバーに入れられた羽毛布団を用いたベッドメイクスタイル)、ウォッシャブルスリッパなどの快適性も支持される理由だ。

ドーミーインの大浴場を利用した際にうれしいのが隣接する休憩スペース。充実の漫画コーナーも人気だ。渇いた喉を潤す自動販売機のコーナーには製氷機も設置され、電子レンジ等ビジネスホテルの必須アイテムも当然のごとく揃っている。

ドーミーインと言えば、“夜鳴き蕎麦”と銘打ったラーメンの無料サービスを思い浮かべる方もいるだろう。とにかくかゆいところに手が届く利用者目線は印象的だ。食事といえば朝食への評価も高い。ディスプレイへの気遣いやご当地メニューの充実など人気の理由が実感できる朝食だ。

夜鳴き蕎麦

もちろん天然温泉大浴場の魅力にも触れなくてはならない。一部の施設を除き多くが天然温泉という徹底ぶり。天然温泉を楽しめる施設はホテル名で一目瞭然。例えば「天北の湯 ドーミーイン稚内天然温泉」「天然温泉 萩の湯 ドーミーイン仙台駅前」というように天然温泉の施設は“天然温泉”との表記がなされている。

温泉はもちろんのこと、露天風呂(外気浴)やサウナ、水風呂といった充実設備も魅力的だ。デザイン・設備・構成なども店舗間で均一感があり、浴場は木・タイル・岩などを効果的に用いるなど、照明の演出も含めスタイリッシュな印象。動線も考慮されており利用のしやすさに定評がある。ただし郊外や都市部といった立地条件等により、広さや露天風呂からの眺望などには差がある。

大浴場があることから、客室にバスルームを設けずシャワーブースのみという客室が多いのもドーミーインの特徴。筆者はホテルプロジェクトへの参画の機会もあるが、各客室に浴槽を設ける場合と比較し大浴場を設ける方がコスト的にも効率は良い。客室のスペースに余裕ができるというメリットもあるだろう。

 

温泉ビジネスホテルの努力と課題

天然温泉は1000m、2000mとボーリングした自家源泉のほか、施設によっては温泉地から運んでくる運び湯も(※)。温泉ということで、和をテーマとしてデザインにも工夫がこらされる。施設によってビジネス客と観光客の割合なども鑑みレイアウトプランが作成されるなど、新規出店に際しては、開発部門と事業部門で綿密な打ち合わせがなされるという(※「運び湯」であっても、「天然温泉」との表記は可能)。

都市部にあっても非日常空間を演出することを重視する。シャワーの水圧、サウナや水風呂の温度など、全国で統一して徹底管理しているそうで、店舗間クオリティの堅持も重要テーマのようだ。