天然温泉 甲斐路の湯 ドーミーイン甲府〔PHOTO〕著者撮影

「ドーミーイン」が満足度1位、出張族・家族連れに選ばれるワケ

妥協なき大浴場がスゴい

日本生産性本部(東京・千代田)の2019年度日本版顧客満足度指数(JCSI)調査において、ビジネスホテル部門ではドーミーインが首位となった。2018年までは4年連続で1位だったリッチモンドホテルを退けた形だ。ビジネスホテルブランドで人気を博するドーミーインが選ばれる理由について考察したい。

天然温泉 けやきの湯 ドーミーイン津

そもそもビジネスホテルとは?

まず、現在のホテルの競争環境はどのようになっているのだろうか。

ホテルのカテゴリーとしてよく知られた区分に“シティホテル/ビジネスホテル”がある。その違いは料金の高低という解釈をする人もいるが、とすれば繁忙期のアパホテルは料金が高騰するのでシティホテルである。

だが実際のところ、両者は提供されるサービスでカテゴライズされる。宿泊以外にもレストランやバー、宴会や婚礼、ヘルスクラブ(フィットネスクラブ)といった多彩なサービスを提供するのがシティホテル、法律上の要請で飲食スペースはあるものの宿泊に特化したホテルがビジネスホテルといわれる。業界では宿泊特化型ホテルとも呼称される。

そもそもホテルとはフルサービスであり、国際的にもホテルとはかような施設と解される。ビジネスホテルは和製英語的な表現であり、国際的には「イン(INN)」といわれる。“東横ホテル”“ルートホテル”“ドーミーホテル”ではく、インという表現を用いるのはかような意味合いだ。

一方で、シティホテルといわれてきた施設がレストランやヘルスクラブを廃するケース、ビジネスホテルが本格的なダイニングや付帯施設を有するなど、シティホテルのビジネスホテル化、ビジネスホテルのシティホテル化も昨今の潮流でもある。

 

大浴場で選ばれるビジネスホテル

ビジネスホテルのマーケットはますます拡大している。宿泊施設の新規開業でも圧倒的な客室数を提供するビジネスホテルは、うまくいけばリターンが大きい。宿泊に特化、画一的な客室供給など効率的な経営が期待できるビジネスモデルゆえ参入業者は増加の一途を辿っている。シティホテルのビジネスホテル化はまさにそうした波に乗った現象だ。

一方で、ビジネスホテル間の競争は激化、提供できるサービスが限定的だけに差別化を図るコンテンツも奇抜なアイディア勝負といった様相を呈している。筆者は5年ほど前の著書で宿泊特化型ホテルにおける付加価値の重要性を指摘したが、ビジネスホテル戦国時代のいま、他のホテルにはない付加価値をいかに提供するのかはいまやビジネスホテルの至上命題になっているといえる。