24歳のときにリウマチを発症したフリー編集者の小西恵美子さん。リウマチに苦しんでいた母親を身近に見ていたため、「リウマチは治らない」と思い、太く短く人生を生きるしかないと徹夜をしても仕事の充実を優先するような生活をしていた。しかし、罹患して30年経った今が実は一番元気だという。そこに至るまでの長い道のりをお伝えしていく。

30代で海外旅行に行ったときにリウマチの痛みを感じなかった経験の「気づき」から、小西さんの闘病生活が変わっていった。一度腱を切って手術をすると、「治る」という経験が嬉しくて、「手術ジャンキー」にもなっていた。そこから、「薬漬け」の闘病生活がスタートする。会社から身体障害者手帳をもらうことを勧められ、1級と認定。しかしそこに待っていたのは、中心で働いていた職場環境から外される現実だった。

薬で痛みを誤魔化しながら通っていた会社を辞める決断をした小西さんは、薬に薬を重ねる薬漬けで副作用に苦しみ続ける生活を送りながら、「治癒」とは何かを考え始める。

【注】小西さんの体験としてリウマチの治療歴をお伝えする。薬に対する反応や治療の効果は個人差がある。

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股関節の矯正の先生に
すべて見通されていた

股関節の矯正に週に1、2回、通った。薄く固めのマットの上に仰向けに寝る。H先生が片方の足を持ち上げて胸のほうに折り曲げ、股関節の角度を正常な位置に入れる。

「股関節がぐらぐらで定まりようがない。胃も動いていない。食欲がないはず。右足が長いのか、左足が長いのか、また股関節の入り具合で、どんな症状が出ているかわかります。顔は薬疹かな。腸も動いていない。肩がかなり前に出ていて上半身が固まっている。胸が痛かったり、呼吸がつらかったりしませんか。心臓だから怖いよ。顔がむくんでいる。足もむくんでいるはずです。身体がゆがんで各所、滞っている。全身に流れるべき血液が行き届かないため、身体が冷えている。冷えている人に健康な人はいない」

H先生は一気に言った。すべて見通されていた。

先生が足を股関節の正しい位置に入れると背中でボキッと音がした。その後、紐で両足を膝の上でしっかりと縛る。股関節が開かないためだ。つまった腰椎を伸ばすために、腰に高さ5センチほどの瀬戸物の枕を入れ、お尻が着く位置に置く。背骨を伸ばして15分間、そのまま。15分以上、枕を入れると腰が抜ける場合もあるらしい。これを2回繰り返す。2回目は腰の瀬戸物は入れず、股関節の矯正のみだ。先生は「もう1回」と言って3回目の治療をした。ずれが大きい証だ。

「毎日、かなり身体がつらいはずです。よく仕事をしていたね。いつ倒れてもおかしくない。各器官は血管と神経が相互に密に関連し合い、正常に情報を伝達し合って健康が維持されます。骨の上に筋肉がついて守っている。その中に神経や血管がある。脊椎に不具合がある場合、脊髄神経や血管を圧迫して正しい情報が身体中に伝わらなくなります。

脊椎に不具合が起きるのは左右の足の長さの違いです。股関節の大腿骨のねじれが左右の足の長さの違いを作り、それが頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、つまり脊椎のゆがみとなるのです。脊髄を脊柱管内で保護しています。股関節が正しい位置にあることが大切です」

股関節がこんなにも重要だと教えられた。

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