フェミニストは「賢い都会の女性」という風潮への違和感

フェミニズムが「枠」に縛られないために
栗田 隆子 プロフィール

地味でもいいから、考え続ける

「田舎」と呼ばれる地域のしがらみや人間関係は女性にとってしんどいから、都会に出てよかった、という言説もあります。そしてそれは、女性が自由に生きていくための便法として仕方がないところもあります。しかし、それゆえに「フェミニズムの実践のためには、都会で生きることが前提」となってしまうのは、ズレがあるのではないでしょうか。

 

ところで、私は今年の5月より『翔んで埼玉』で話題の県の住民となりました。今ここに住みながら、東京でイベントなどを開くより、この「彩の国」で何ができるかを考えるのが今の私の楽しみの一つです。その実践をどのように行っていくかを、またいろいろな形で表現していけたらと思っています。

それこそ「地方自治って何?」とか「地域から政治に関わるってどういうこと?」といったテーマを、場合によっては女性(性自認が女性の方)同士で、ぼちぼち話せるような場所を作りたいと考えています。

私自身は、労働問題や貧困の問題に関わる際に、政治や制度の変革だけでなく、自分の感じていることや疑問を話せる場所をどうやったら作り出せるか考えてきました。そのような場所が都会に偏っているのであれば、今住んでいる場所で何がやれるかを、地味でもいいから考えることが、都会偏重ではないフェミニズムの可能性を作り出していくことにつながると考えています。

みなさんも、「地域で実践できるフェミニズム」「大学以外の場所でのフェミニズム」のアイデアを、考えてみませんか。また、すでになにか実践していることがあれば、ぜひ教えてください。

私にとってのフェミニズムは、自分の知識や経験を開陳することだけでなく、それを分かち合い、いろんな立場の人が活かせるようにすることです。本稿が、そのような知識や知恵や実践を共有するきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。