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元経済ヤクザが解説「最新版・暴力版図」

アメリカの思惑が列島を揺らす
猫組長(菅原潮) プロフィール

「北朝鮮化」する韓国

2018年から、韓国は日本に対して異常とも言える姿勢をとるようになっている。

第一は徴用工問題だ。

第二次世界大戦中に、日本企業で働いた労働者が「奴隷のように扱われた」として訴訟を起こした。18年10月30日に、韓国の最高裁にあたる大法院が、新日本製鉄(現・新日鉄住金)に対し韓国人4人に、1人1億ウォン(約1000万円)の損害賠償を命じる判決を下す。この徴用工問題は1965年の日韓請求協定で「解決済み」だが、韓国の大法院は政府の請求権は解決しても、「個人の請求権は消滅していない」と判断したということだ。

第二は慰安婦問題だ。

18年11月21日、韓国政府で慰安婦問題を担当する女性家族省が「和解・癒やし財団」を解散し、事業を終了することを発表した。日韓両政府は、15年12月の日韓外相会談で慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的な解決を確認した」ことで合意した。だが、大統領の文氏は17年12月に、「政府間の公の約束であっても、大統領として、この合意で慰安婦問題が解決できないことを改めて明確にする」と表明。合意において韓国側は、慰安婦像について「適切に解決されるよう努力する」と言ったものの、韓国内の慰安婦像を合意前の20体から56体まで増殖させた後の財団解散だった。

第三は海上自衛隊機に対するレーダー照射問題だ。

18年12月20日、日本の排他的経済水域(EEZ)で、韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」が、海上自衛隊の国産最新鋭哨戒機「P -1」に対して火器管制レーダーを照射した。当時北朝鮮の船が漂流しており、「広開土大王」は救助活動中で、「P -1」がその模様を哨戒した。韓国政府の見解は、レーダー照射の有無や、自衛隊側の責任などについても二転三転を繰り返す。

2013年1月には、東シナ海で中国人民解放軍海軍のフリゲート「連雲港」が、海上自衛隊のむらさめ型護衛艦「ゆうだち」に対して、火器管制レーダーを照射し大問題となった。火器管制レーダーの照射は攻撃に向かうアクションで、拳銃で相手に狙いを定めて引き金に指をかけている状態であり、敵対的行動だからだ。

徴用工問題によって、今後、日本企業は韓国進出や韓国人の雇用を控えるようになるだろう。慰安婦問題では国家間の約束を守らない国であることが世界に知られることとなった。レーダー照射問題では、軍事同盟を結ぶ相手国ではないと国際的に評価されることにもなった。

 

韓国版「瀬戸際外交」

さて、一連の行動を整理して、どこかの国を思い出さないだろうか。一見自爆とも思える行動を「外交カード」として使い、自国のプレゼンスを高める――韓国の政策は、北朝鮮がもっとも得意とする「瀬戸際外交」そのものとしか私には見えない。

韓国を「瀬戸際」へと追い詰めているものの正体こそ、世界のヘゲモニーの頂点に位置するアメリカから「価値喪失」の烙印を押されつつある現状だ。在韓米軍の駐留費用拠出要求を韓国はそう受け取っていると考えなければ、瀬戸際外交の説明がつかない。

韓国にとってみれば、この瀬戸際外交によって何とか自国の価値を担保させたい。暴力団が悪事を働けば働くほど警察の予算が増えるように、たとえ悪評であっても、プレゼンスはプレゼンスということだ。

前述したように、日本はアメリカにとって「できのよい弟」だ。「弟を揺さぶれば、兄も出てくる」、それこそが、瀬戸際外交における韓国の意図だ。下部組織をつついて上部の組織と直接の「掛け合い」(暴力団のいう「交渉」)に持ち込むのは、私が暴力の世界で何度も見てきた構図だ。

8月5日には、韓国大統領文在寅氏が、大統領府での首席補佐官会議で「(北朝鮮との)南北経済協力で平和経済が実現すれば、われわれは一気に日本の優位に追い付くことができる」と述べている。

この発言こそが、私の分析を裏付ける取りあえずの根拠だ。

反韓感情の高まりからヒステリックになることは当然だと言えるだろう。だが、感情は冷静で合理的な判断にたどり着けなくする。日本に対する一連の行動は、自身が「用済み」になるという〝阿鼻〞に対する、韓国の〝叫喚〞であり、生き残りをかけた捨て身の一手だと私は考えている。