杉並区にあるフィンランド流「学童保育」が大切にしている6つのこと

日本の教育とこんなに違っていた
田中 瑠子 プロフィール

家庭でも実践できる

フィンランドの教育法は、家庭の子育てにも生かすことはできるのだろうか。他人の子どもならば間違いにおおらかになれても、自分の子どもとなれば、ふとしたことでも不安や苛立ちが募るという親は少なくないだろう。子どもの意思を尊重したいけれど、わがままをはき違えてしまうのは困る。高野さんに聞いた。

 

「基本的に、わがままな気持ちは持っていてもいい、と思っています。けれど、集団の中で楽しく時間を過ごすために、約束を守ることは大事。ルールが必要な理由をきちんと説明した上で、子ども自身が守れるような小さな約束事を親子で結んでみるのはいかがでしょう。そして、守れたことをほめ、成長を一緒に喜ぶ。子どもは自分の行動をきちんと見てもらえている安心感から、落ち着きを得ていきます。

Finでも『宿題は17時までに終わらせること』『ペタゴジーには必ず参加すること』などルールがあります。守るべきラインを伝え、その範囲の中で自分の行動を決めることで、社会性を身につけていくのです」

子どもたちと一緒に考えたルール

結果をすぐに追い求めないことも、大切にしている点だという。

「なんでできないの?と思ったら、むしろ『今、何ができているか』というポジティブな事実に注目してみます。『何ができて、何を学んでいるのか』に意識を向けると、同じ事象から違うことが見えてきます。泣いてわめいていたら、『自分ができないこと、得られないこととの闘いを学んでいる』『嫉妬心と戦っている』と解釈する。

どんな瞬間にも、学ぶからこそ葛藤がある。立ち止まっているのではなく、何かにぶつかって突破しようとしているんだ。そう思えると、今できていないことも一つの大事な通過点だと捉えられるようになるんです」

何気ない発言でも、その背景には、相手の育んできた知識と経験がある。それをリスペクトし、対話を重ねる。あらゆる人間関係で大切にすべき姿勢を、Finの子どもたちは今日も実地でのびのびと学んでいる。