杉並区にあるフィンランド流「学童保育」が大切にしている6つのこと

日本の教育とこんなに違っていた
田中 瑠子 プロフィール

週5の習い事、常にやるべきことに追われた

日本の教育に、フィンランドの手法を取り入れる――。そもそも、その発想はどう生まれたのだろう。Finを創設した高野さんに尋ねると、根底にあったのは、子どものころの原体験だったと言う。

FINで説明会をする高野さん。左はフィンランドからインターンでやって来たエンマさん

「私の小学生時代は、毎日がすごく忙しかったんです。週5日習い事があり、今日はピアノ、明日は習字…と常にやるべきことに追われていました。その背景にあったのは、母の熱意です。私が3歳のときに父が亡くなり、シングルマザーになった母は、『娘が将来苦労しないようにきちんと教育を受けさせよう』と、猛烈に“学びの機会”を与えてくれました。でも、私にはそれが窮屈だった。『もっと外で遊びたい。自分がやりたいと思ったことをやりたい』といつも思っていました。

その母も、私が30歳になったときに病気で亡くなりました。そのときに沸き上がってきたのが、愛情深く育ててくれたことへの感謝と、もっと自由でありたかったという感情でした。そこでようやく、この根深い思いに向き合ってみよう、と思い立ったんです。子どものころに得られなかった“何か”を探しに行くように、当時から注目されていたフィンランドの教育現場を見に行こうと動き始めました」

 

こうして、高野さんは当時勤めていた株式会社リクルート(現在のリクルートキャリア)を退職。フィンランドの大学院(Eastern Finland University)で教育科学を学びながら、現地の小学校や子ども向けのサービスに触れる2年間を過ごした。

フィンランドの教室で目にしたのは、「先生が子どもたちを受け入れている」姿だった。もちろん、フィンランドのすべての学校、先生が一律にすばらしいわけではない。ただ、子どもたちが生き生きとしているクラスでは、多くの先生が子どもに質問を投げかけ、返ってきた多様な考え方に耳を傾けている。先生と子どもたちが対等に感じた。