杉並区にあるフィンランド流「学童保育」が大切にしている6つのこと

日本の教育とこんなに違っていた

学校帰りの子どもたちが集まる場

東京都杉並区に位置する、井の頭線・浜田山駅から徒歩1分。賑わう商店街を抜けたビルの2階に、小さな学童保育がある。フィンランドの教育スタイルをベースにしたアフタースクール、「KIDS PORT Fin(キッズポート フィン)」(以下、Fin)だ。北欧独特の淡い色使いで統一された空間に、自然光が差し込む。ここで、フィンランドの大学院(Eastern Finland University)で教育科学を学んだ設者・高野直子さん(38)を中心に、6名のスタッフが子どもたち一人ひとりと丁寧に向き合っている。

FINの外観(2F)。駅から近く人通りもあるので安心して通える

Finに通うボリュームゾーンは小学校1~3年生。地元の小学校に通う子から、私立の小学校の生徒までさまざまだ。放課後14~15時ごろになると、学校帰りの子どもたちがFinにやってくる。

まず、彼らがやるのは「自分の時間の過ごし方」を決めることだ。ホワイトボードの時間割に「おやつ」「しゅくだいをやる」「じゆうじかん」などのマグネットを貼り、自分で決めた時間を自由に使う。創作活動に熱中する子も多く、Fin内にある人形やぬいぐるみ、クラフト素材やフィンランドのゲームなどを使って、好奇心や創造性を育んでいる。

 

唯一決められた、全員参加のプログラムが「ペタゴジー」タイムで、これこそフィンランド教育の肝といえる。

子どもたち自身で時間の使い方を決め、ホワイトボードに記入する

ペタゴジーとは、フィンランドの幼稚園や小学校などで必ず取り入れられている教育法だ。ペタゴジー(pedagogy)の語源はギリシャ語の「子ども(paid)」と「指導(agogus)」にある。教育学とも訳されるが、先生が子どもたちに一方的に「教える」のではなく、双方向のコミュニケーションを特徴とする。音楽、アート、言葉、数字など扱う題材はさまざまで、ベースとなるのは「子どもが自由に作る」そして「アレンジする余地を残す」ということだ。

「子ども一人ひとり、物事のとらえ方は違います。その違いを尊重することで、子どもたちは自分で考え行動する自信をつけることができるんです」(高野さん)

Finでも、毎日異なる題材で、子どもたちの好奇心を引き出している。フィンランドで見られるオーロラに関してビデオで学んだあと、思い思いのオーロラを絵で表現する「オーロラアート」を作ったことも。自分の目で見て耳で聞いたことを、どう解釈して絵に反映するかは、子どもの自由。「どうしてこの色を使ったの?」「この形は何かな?」など、質門を投げかけながら、一人ひとりの解釈を理解し、違いを認めながら受け入れていくのだ。