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なぜ医者は「無駄な手術」を何度もするのか

何でも手術、何度でも手術…

本当は無駄だと知っている

「椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、坐骨神経痛などの痛みは、手術をしても痛みがなくなることはありません」

そう語るのは、加茂整形外科医院院長の加茂淳氏だ。

腰痛の痛みから、早く解放されたい。患者がこう訴えた場合、普通ならば薬を処方するか、神経ブロック注射を行う。だが、その過程を経ずに、まず手術を勧める医者もいる。どうしても手術をせざるを得ないケースもあるが、そうした重篤なケースはきわめて稀。患者の多くは、わざわざ手術をしたのに痛みがとれないと肩を落とす。

 

治らないにもかかわらず、やたらと手術を勧める医者がいるのはなぜか。その原因を、清水整形外科醫院院長の清水泰雄氏はこう指摘する。

「画像診断の性能が向上して、小さな変化も鮮明に撮影できるようになったことで弊害が出ているのです。

'95年に、国際腰痛学会が腰痛のない人を4000人集めてMRIを撮ったところ、76%の人に椎間板が突出したヘルニアが見られ、85%の人に椎間板変性が見られたそうです。つまり、腰痛持ちではない多くの人でも、椎間板に『異常』を抱えているということです。

それにもかかわらず、整形外科医は画像診断で少しでも異常を見つけると、『ここの骨が飛び出ているから、手術が必要です』と言うのです」

こうして、実際には脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアではなかろうと、画像診断で異常があるからと何でも手術をしてしまう医者がいるのだ。

治らないとわかっていながら、病院の金儲けのため、手術へと誘導をする医者もいる。原田敏光さん(63歳、仮名)の話。

「5年前、ゴルフで腰を捻ってから、腰にしびれが出るようになったので、病院でMRIを撮ってもらいました。

すると、主治医は脊柱管狭窄症だと告げ、MRIの画像を見せて、『神経全体がこんなにも圧迫されています。いますぐに障害が出るということはありませんが、このまま放っておくと神経が圧迫され続けて、排尿障害や排便障害が起きる。また、足に力が入らず足首を持ち上げられないような麻痺が出る可能性もゼロとは言い切れません』と言いました。

車いす生活を避けるには手術しかないと思い、手術を決断。術後、腰痛は引いたのですが、しびれが残った。しびれが消える兆しは見えぬまま、現在に至っています」