「手術をすれば、病気が治る」は本当か?日本と海外ではこんなに違う

手術に成功した後、後悔しても遅い…
週刊現代 プロフィール

7月26日、人類初の月面着陸を果たしたことで知られるアメリカの宇宙飛行士、ニール・アームストロング氏が、実は医療事故によって亡くなった可能性があると報じられ、全米が騒然となっている。

アームストロング氏は'12年、82歳の時に冠状動脈が詰まったことで心臓のバイパス手術を受けたが、その後、急な内出血を起こし、亡くなった。状態が急変した時の病院側の対応にミスがあっただけでなく、そもそもバイパス手術自体も必要なかったのではないかと疑いが持たれている。

 

著名で最善の手術を受けられたはずの人物ですら、こうして命を落とすのだから、できうる限り手術は避けるに越したことはない。

ましてや、難しい脳の手術となればなおさらだ。昨年、夫が脳の手術を受けた槇原由子さん(50歳、仮名)はこう話す。

「昨年、夫に脳の動脈瘤が見つかり、主治医に動脈瘤が破裂する危険があると言われたので、慌てて手術を受けました。ですが、術中に医者が誤って視神経を傷つけてしまい、失明したのです。

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その後、調べてみると、脳の動脈瘤には破裂する危険性の高いものと、低いものがあるということを知りました。しかも破裂のリスクが低いものは、放っておいても問題がない。夫の動脈瘤がどちらのタイプだったかは、もはや知ることはできませんが、よく考えずに、医者の言葉を鵜呑みにしてしまったことを、いまも後悔しています」

外科手術で開腹・開胸するともなれば、身構える人もいるだろうが、出血の少ない内科医による治療となると、安易に手術を受けてしまいそうになる。実際、「患者の負担が小さく、術後の回復も早い」ことを売りにして、カテーテル治療を積極的に行う病院も多い。だが、体の中に針や器具を入れて操作することには違いなく、大きな危険が伴う。

例えば、心臓の上半分の心房で異常な電気が発生し、心拍のリズムが狂う心房細動。これが起こると、血液が固まりやすくなり、血栓が生じる。脳に血栓が飛ぶと、脳梗塞を起こす可能性があるため、手術を勧められることがままある。

薬物治療でも心房細動を予防できるが、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿れて、不整脈の原因となっている場所を焼き切る「心筋カテーテルアブレーション」という治療法を行う内科医が増えてきている。心臓血管研究所付属病院の山下武志氏はこう話す。

「心房細動が全くなくなる確率は、アブレーション1回で約60~70%、もう一度追加の施術で約80~90%と言われています。薬での治療だと、心房細動の発作が完全になくなることはまず見込めない。薬物治療より、効果が高いと言えるでしょう」