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「手術をすれば、病気が治る」は本当か?日本と海外ではこんなに違う

手術に成功した後、後悔しても遅い…

医者は手術すればよくなると言うが、患者のその後の生活まで考えているわけではない。その言葉を鵜呑みにしてはいけない。

手術のせいで胸に激痛

3年前に父を亡くした高杉哲史さん(54歳、仮名)は、かつての決断をこう悔やむ。

「父は76歳のときに、不整脈で突然死する可能性があると告げられました。都内の大学病院の心臓外科医は、『除細動器を植え込む手術をすれば、心臓の脈を常に監視して、発作が起こった時に電気ショックを起こして、不整脈を退治できる』と手術を勧めました。父の老い先もそう長いものではない。手術をせずに静かに余生を送らせるべきか悩みましたが、結局、手術を選択しました。

 

手術は成功しましたが、後悔し始めたのはその後です。2~3ヵ月に一度、除細動器の電気ショックが作動するようになりました。ショックが生じると、胸を直接蹴られたような激しい痛みを感じるそうで、そのたびにうっと顔を歪めて胸を押さえていた。結局、その状態は肺炎で亡くなるまで4年も続きました」

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苦痛を感じながらでも、寿命が伸びるならまだ意味があるかもしれない。だが、その有効性すら疑わしいというデータもある。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう話す。

「米国ホスピス緩和医療学会では、患者が望まない限り、植え込み型除細動器を使用すべきでないと警告しています。

除細動器の手術を受けた患者の4人に1人は、死亡する1週間前になって初めて機械が作動すると報告されています。つまり、除細動器のショックによって、死を回避できたケースは多いとは言えないのです」

「手術をすれば、病気を治すことができますよ」。医者にそう言われたら、つい手術の同意書にサインしてしまうという人は少なくないだろう。だが、体にメスを入れるというのは、大きなリスクを伴うもの。ましてや、体力の落ちている高齢者となれば、その危険性は一層高まる。