習近平vsトランプ、米中対立がいよいよ「通貨戦争化」しそうなワケ

人民元安は基本戦術である
唐鎌 大輔 プロフィール

「対抗措置」の色合いが強い

今回の動きは8月1日にトランプ政権から発表された対中輸入3000億ドルに対する追加関税への意趣返しだと解釈する向きが殆どである。

今回に限らず、中国の対米輸入額の方が米国の対中輸入額よりも圧倒的に少ない以上、中国政府は「輸入品に課税する」という武器だけでは貿易戦争を戦えない。

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理論的には10%の追加関税は10%の通貨安で相殺することが可能である以上、米国が中国に追加関税を課すたびに対ドルで人民元が下落する筋合いが出てくる。

 

資本流出のリスクにさえ配慮できれば、通貨安は中国政府からすれば極めて真っ当な基本戦術と言える。

昨年以降のドル/人民元相場の動きを振り返ってみても、そうした通商交渉と元相場の関係性は浮かび上がる(以下、図表)。

とはいえ、これまでも両国の緊張激化と元安には安定した関係があったものの、今回の下落はこれまでにない性急なものであり、対抗措置としての色合いを強く感じざるを得ない。