あいちトリエンナーレでも露呈…表現の自由と権力の危ない関係

「メディアの忖度構造」という問題
中島 岳志 プロフィール

「空気を読まない」の精神で打破する

そうでなければ、忖度に忖度を重ねた末に、メディア自体が権力化していってしまいます。

たとえば森友問題を最初にスクープしたNHK大阪の相澤冬樹さんが、上司に記事を書き換えられたり、記者職を外されそうになったりという圧力を受け、転職に追い込まれたケースなどはその典型でしょう。

おそらくは、政治家は誰もそんなことは指示していないのに、「官邸に逆らうな」という空気が蔓延した結果です。

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一方で、「王様は裸だ」と叫んだのが幼い子どもであったように、「空気」を読まず「やっちゃう」ことで、そうした構造を突き抜けられることもあります。

菅官房長官記者会見で、まさに「空気」を読まない質問を繰り返して話題になった、東京新聞の望月衣塑子記者などがそうでしょう。

あるいは、前回のNHK『100分de メディア論』も、「やっちゃった」からこそ、ギャラクシー賞を受けるなどの高い評価を得られたともいえる。

NHKをはじめ、すべてのメディアの方たちには、思い切って「やっちゃえ」と言いたいと思います。