# 日本郵政

かんぽ不正、マスコミがなぜか報じない「郵便局の深すぎる闇」の正体

ますます経営は泥沼化していく
荻原 博子 プロフィール

税金を使うなら、郵政民営化そのものが問われる

郵政グループは、極端に言えば、ゆうちょ銀行、かんぽ生命という金融2社に支えられています。

ただ、ゆうちょ銀行、かんぽ生命は安泰かといえば、そうではありません。

 

ゆうちょ銀行は、通常の銀行のような貸出業務ができないので、預かったお金を市場で運用しなくてはなりませんが、長引く日銀の金融緩和で債券市場は脳死状態になり、株や為替はリスクが高まっているという状況。かんぽ生命も、民業を圧迫しないように「上乗せ規制」が課されていて、保険金の上限は2000万円と小口。大手生命保険会社と対等に勝負していくには足かせが大きいのです。

結果、2社とも売り上げや純利益が減少傾向にあり、経営は徐々に苦しくなりつつあります。

グループ全体が、「沈みゆく巨艦」の様相を呈している中で、吹き出したのが、今回の不正事件。最終的な不正件数は50万件を上回る可能性があり、この損失を補填するだけでなく、当面、新規の保険募集をしないとなれば、ますます経営は泥沼化していく可能性があります。

それを見越してか、株価も最高値の半分にまで下落し、この株で儲けようとした国にとっても大誤算ということになりそうです。

それどころか、信用力が著しく低下してしまった郵政グループは、多額の補償その他で経営が成り立たないという状況になる可能性もあります。

通常の株式会社なら、会社が立ち行かなくなったら経営破綻して終わります。けれど、郵便局は、現在も実質的には国有企業なので、普通の企業のように破綻させることができません。

そうなれば、私たちの税金で救うという議論が出てきてもおかしくないでしょう。
なんのための郵政民営化だったのか。改めて、問われている気がします。