# 日本郵政

かんぽ不正、マスコミがなぜか報じない「郵便局の深すぎる闇」の正体

ますます経営は泥沼化していく
荻原 博子 プロフィール

民営化企業がユニバーサルサービスを抱える矛盾

民営化後の郵政グループは、財務省が日本郵政の株の3分の1以上をもち、この日本郵政が日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の持ち株会社となる、4社体制でスタートしました。

ただ、実際には、日本郵政、日本郵便を、金融2社のゆうちょ銀行とかんぽ生命が支えているというのが実態です。

 

日本郵政の2019年3月期の売上高に相当する日本郵政の連結経常収支は13兆円弱ですが、売り上げの大半は、ゆうちょ銀行(1・8兆円)、かんぽ生命(7・9兆円)と、金融2社が稼ぎ出しています。純利益は約4800億円ですが、こちらも、ゆうちょ銀行(約2700億円)、かんぽ生命(約1200億円)と、金融2社に頼っている状況です。

こうした中で、焦りを感じた日本郵政は、国際物流に乗り出すべく2015年に6200億円でオーストラリアの物流企業「トール」を買収しました。しかしこれも大失敗となり、2016年度の決算で4003億円の損失を計上しています。

郵便局を抱える日本郵便も、金融2社に頼らざるを得にない状況は同じです。窓口業務や手紙、切手、ゆうパックなどで約4兆円の売り上げを上げていますが、その内訳を見ると約1兆円は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の商品を販売して稼ぐ「窓口業務手数料」です。

メールが普及して手紙離れが起きる中、ドル箱のゆうパックも、人手不足や人件費の高騰などで、伸びが鈍ってきています。

〔photo〕gettyimages

そもそも日本郵便は、郵政民営化とともに、民間企業と言いながら郵便業務のユニバーサルサービスを行っていくことが義務化されました。つまり、62円のハガキ1枚であっても、船に乗って遠くの離島まで届けに行かなくてはいけないという、民間の会社ならは当然拒否するようなコスト割れの業務も、やらなくてはいけない義務を負わされているのです。

ですから、初めから収益が上がりにくい体質になっていて、こうした中で収益を上げるために、年賀状販売のノルマをこなせない郵便局員が年賀状を自分で買い取る「自爆営業」を強制されたり、局をあげてのパワハラで自殺者まで出ています。

こうした状況の中で、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の投資信託や保険を売ることは、郵便局が生き残るための重要な鍵になっていて、そのため、現場の局員がノルマ達成のために無理な営業を繰り返していたことは容易に想像できます。