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かんぽ不正、マスコミがなぜか報じない「郵便局の深すぎる闇」の正体

ますます経営は泥沼化していく
荻原 博子 プロフィール

さらに、日本郵政公社時代には国の機関だったので、情報公開の義務があり、前述のような犯罪記録なども請求すれば出してもらえたのですが、郵政民営化で郵政グルーブが民間企業になると、ここまでの情報開示義務がなくなり、内部犯罪の実態はわからなくなってしまいました。

不祥事が、それほど大きく出てこなくなったので、郵便局は民営化で生まれ変わったと多くの人が思ったかもしれません。

けれど、今回のかんぽ生命の不正事件を見ると、昨日今日のことではなく、民営化後も郵便局の闇は広がり続けていたことがわかります。

 

「犯罪体質」がますますエスカレート

かんぽ生命の保険の不正販売で多いのが、保険の「二重加入」と保険の「乗り換えの空白」。

「二重加入」とは、それまで加入していた保険をやめて新しい保険に入り直すときに、前の保険を半年以上加入したまま新しい保険に入るというものです。通常は新しい保険に加入したらすぐに前の保険を解約しますが、かんぽ生命の場合、半年以上二重契約をさせておけば、すぐ解約するのに比べて2倍の手数料がもらえる仕組みになっていました。

一方の「乗り換えの空白」とは、保険に入り直すときに、まず前の保険をやめさせ、3ヶ月以上ブランクを空けてから新しい保険に入るというもの。これも、新しい保険に入ってからすぐに前の保険を解約するよりも、手数料が2倍多くなります。

ただ、前の保険をやめてから3ヶ月の間に病気を発症し、次の保険に入れない無保険者が続出して大問題となっています。

〔photo〕gettyimages

こうした一連の不正を、郵政グループ幹部は、郵便局員個人のモラルハザードで起きていることだということで処理しようとしてきました。

けれど、これは一個人の犯罪というよりは、そうせざるを得ない状況へと末端の職員を追い詰めていった組織の責任が大きいのではないでしょうか。

もともと、犯罪体質が払拭しきれていなかった組織の中で、その犯罪をますますエスカレートさせざるを得なかった背景には、郵政民営化で厳しい環境に置かれた郵政グループの焦りがあったのでしょう。