# 日本郵政

かんぽ不正、マスコミがなぜか報じない「郵便局の深すぎる闇」の正体

ますます経営は泥沼化していく
荻原 博子 プロフィール

保険料の横領、着服などの悪質な内部犯罪の摘発は、2003年が12件、2004年が15件、2005年が26件、2006年が17件。

さらに、契約者に嘘をついて募集したり、重要事項の説明をしっかりしていなかったり、加入者が健康状況の告知を行っているにもかかわらずそれを申し込み用紙に記載しなかったりという、保険を扱う者にあるまじき不正募集は2006年度だけでも88件ありました。また、簡保は、窓口で面接して加入させる制度になっていますが、無面接で加入させていた例も67件ありました。

顧客情報の漏えいや紛失等の事例も多く、さらに、システム障害を相次いで発生させ、10万件を超える契約者に影響を与える事故も起きています。

 

郵政民営化で廃止された「郵政Gメン」

当時、総務省は各部署に対して業績評価を行なっていましたが、簡易保険のサービス向上への取り組み評価は、AからEまでの5段階評価の下から2番目のD。サービス向上への取り組みの遅れが指摘されています。

こうした状況の中で、不満を募らせた客が、保険料を払わないまま契約切れになる失効や解約が相次ぎ、2006年度には、失効と解約の合計がなんと175万件にものぼりました。

〔photo〕gettyimages

ただ、こうした日本郵政公社での犯罪は、放置されていたわけではありません。

民営化以前の郵便局には、犯罪を取り締まる警察制度とも言える「郵政監察制度」があり、700 名の「郵政Gメン」とよばれる人たちが、郵便貯金や簡易保険などで不正がないかチェックし、ハガキや切手などの金券類の偽造や変造、郵便為替を用いた詐欺などの犯罪に目を光らせていました。「郵政Gメン」には強い権限があり、その捜査では、逮捕状まで請求できました。

ところが、郵政民営化に伴って、内部に目を光らせて不正を摘発する「郵政監察制度」は廃止され、代わりに日本郵政(株)の中に監査部門が新設されました。

ただ、残念ながら新しくできた監査部門は、コンプライアンスのチェック部門なので、「郵政Gメン」のような司法検察権は与えられていませんでした。

結果、もともと犯罪体質が強かった組織だったにもかかわらず、チェック体制が効かなくなり、事実上、犯罪が野放しになってしまった可能性があるのです。