元経済ヤクザが語る、ビットコインが「負け確定のゲーム」である理由

だが、暗号資産の可能性は無限大だ
猫組長(菅原潮) プロフィール

また最近では、ブロックチェーン技術で証券を発行するSTO(Security Token Offering)の実用化も進められている。わかりやすく言えば「暗号通貨」ではなく「暗号株式」を発行する技術だ。

企業にとって、「株」が資金調達の代表格であることは言うまでもない。それを「暗号通貨」のように、世界を舞台に直接やり取りすることができるのだ。

発行株の上場は多くの投資家に対するアピールの場だが、上場には財務状況やコンプライアンスなどの「壁」も存在する。

その点、STOは上場を必要とせず、企業が世界中の投資家に自社株を直接売ることで資金を調達できるのだから、特にIT系のベンチャー企業にとっては魅力的な資金調達手法になるだろう。もちろん「壁」がないことで投資家はより大きなリスクを負うことになるため、「投機性」も高まるのだが。

このように、ブロックチェーン技術の最先端が「資金調達への応用」にあることは、次の時代を生きる上で持つべき知識と言えるだろう。

 

技術に対する「投資の嗅覚」を磨くべし

さて、多くのビジネスマンが「暗号資産」の根幹である「ブロックチェーン技術」とビジネス上で積極的に関わることにより、もう一つのメリットが生まれることを忘れてはならない。

それは「ブロックチェーン技術」そのものに対する「投資」嗅覚の獲得だ。

この技術の特性を考えれば、応用できる範囲は多岐にわたる。例えば医療がその代表格だ。

医療の現場では、個人情報の塊である「カルテ」が用いられる。近い将来、優れた医療技術を持った病院はチェーン化され、治療はオーダーメイド化に向かうと私は見ている。

インドの病院で日本人の病気を治す場合に必要なのは、その人の病歴も含めた「カルテ」と、その人に合った治療法だろう。ブロックチェーン技術は、そうした医療情報共有の鍵になる。

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私が実践しているのも、医療分野へのブロックチェーン技術応用に対する投資だ。
私はすでにイスラム圏で「暗号資産」によるICOと、自身が手がけた医療ビジネスへのブロックチェーン技術導入を目指した投資を始めている。

ご存じのようにイスラム圏には、宗派によって細かく定められたハラム(禁忌)とハラル(許諾)が存在し、その制限は入院した際の食事から、使える薬品にまで及ぶ。イスラム圏で医療関連チェーンや健康食品チェーンを展開する場合、ほぼ顧客ごとに異なる無数のハラムとハラルを把握しなければならないということだ。

そうした顧客に固有の個人情報を共有するために、ブロックチェーン技術はうってつけなのだ。