元経済ヤクザが語る、ビットコインが「負け確定のゲーム」である理由

だが、暗号資産の可能性は無限大だ
猫組長(菅原潮) プロフィール

中小企業こそ「暗号資産」に注目すべし

ところで、私は常々、日本経済の屋台骨である「中小企業」ほど優れた企業形態は世界でも稀であり、もっと広大な国際市場に進出するべきだという思いを抱いている。だが、中小企業が海外でスタートアップする際に立ちはだかる大きな壁が、「資金調達」だ。

「中小企業白書」(中小企業庁 2016)によれば、国内金融機関の法人向け貸出に占める中小企業貸出の割合は、2015年で約62%となっている。

 

中小企業はメガバンクではなく、地元の信用銀行などをメインバンクにしていることが多く、これが中小企業の海外進出を阻んでいる現実がある。「中堅・中小企業の海外進出支援の現状」(日本銀行)によれば、

地域銀行の海外支店数-16(米国4、欧州1、中国10、その他アジア1=12年)
地域銀行の海外駐在員事務所数-77(米国6、欧州2、中国46、韓国1、シンガポール12、タイ8=13年)

と、日本の地方金融機関の海外展開は、それほど進んでいない。

何より日本の金融機関は、リスクを負う投資を忌避する傾向が強い。従って、海外進出というと、大企業が子会社を抱えてメインバンクの支店がある国に進出する「護送船団型」が中心となる。逆に言えば、中小企業にとっては海外進出の難易度が高いということだ。

ここで、黒いマネーの世界における考え方が参考になると、私は考えている。

暴力経済においては、資金調達ルートは特定の組織や金融機関に限定されない。ある場合はダンベ(暴力団のスポンサー)、ある場合は異なる組織の同業者と、ビジネス、状況、場所に応じて臨機応変に調達するのが常だ。そうした世界に長く生きてきた私にとって、中小企業がなぜ資金調達先を国内金融機関にこだわるのかが理解できない。

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特に新たなビジネスをスタートアップさせやすい新興国には、政治不安、天災などのさまざまなリスクがつきまとう。それに加えて、円と現地通貨の為替リスクや通貨交換手数料、送金手数料まで恒常的に存在するのだから、日本からヒト、カネ、技術を持ち出してビジネスを行うのは、それこそ初めから負けが確定しているゲームと言えるだろう。

つまり、国際市場に進出するのであれば、現地で資金を調達するのが合理的なのは自明の理だ。