元経済ヤクザが語る、ビットコインが「負け確定のゲーム」である理由

だが、暗号資産の可能性は無限大だ
猫組長(菅原潮) プロフィール

80年代バブルの最終局面がまさにこれで、不動産、株が競うように最高値を更新して収拾が付かない状態になっていた。敏感な人はいち早くそこから抜け出したが、それを続伸のサインと見た人はバブルの崩壊とともに沈んでいった。私の場合は「黒い世界」にまで沈むことになったが。

ビットコインを手放したのは、取引量やメディアの取り上げ方から終末期を確信したからである。

誤解している人も多いと思うが、私のマネーそのものに対する執着は薄い。私が惹かれるのは、マネーが増えていくことのゲーム性であり、「金を蓄える」こととは似て非なる動機だ。「ビットコイン」への参加も、「仮想通貨」という新たな形のマネーと、博打同然の投機に向かってしまう人間の金欲に対する好奇心と研究が目的だった。

こうした姿勢が私を冷静にさせ、「投資」から「投機」に足を踏み外さない抑止力になっていることは言うまでもない。

 

ビットコインは「負け確」のゲームだ

この「研究」の中でもっとも興味深かったのが、「ビットコイン」が多くの人にとって「負けが確定しているゲーム」であるということだった。下図「ビットコイン分布表」を見れば一目瞭然だろう。

ビットコイン保有者の資産分布
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このデータによれば、10BTC以上を保有している0.7%の人が、ビットコイン市場総額の約86%を占めていることがわかる。この比率はブームが起きた17年からほとんど変わっていない。

金融とは、資金を持っている者ほどより大きなアドバンテージを得て優位に物事を進められる世界であり、その資金が移転することによって、次々とアドバンテージの所有者が変わっていくというゲームだ。

つまり、ビットコインのゲームは、10BTC以上の保有者がアドバンテージを維持し続けているということになる。7月24日の1BTCが約110万円なのだから、1100万円以上の元手がなければ、新規参入してもアドバンテージを得ることができないのだ。

もちろん1100万円は最低額であり、ゲームに勝つほどのアドバンテージを得るために、どれほど多くの資本量が必要になるかは言うまでもない。にもかかわらず、ビットコインは常に乱高下を繰り返す不安定な市場だ。

すなわち、ビットコインに新規参入して「勝つ」ゲームは、多くの人にとって「無理ゲー」だということが導き出される。図を見て、ここまでの思考にたどり着けない人は、これからビットコインで一儲けしようなどとは思わない方がいいだろう。