医療費タダ、受信料免除…生活保護は「年金暮らし」でも受け取れる

受給のための注意点を解説
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では、スマホやパソコン、テレビはどうだろうか。贅沢だから売却をしなければいけないのか、というとそうではない。

「スマホ、パソコン、テレビは災害時にも役に立つもので、所有していても問題ありません。生活保護を受けながら所有してもいいものの目安は、地域における普及率が70%を超えるかどうかです。新聞やエアコンについても同じ基準が適用されます」(前出・碇井氏)

 

生活保護を受給しても、生活に必要な家具や家電を手放すことにはならないのだ。

それでも、なかなか受給に踏み切れない人もいる。一人暮らしの高齢者が生活保護を受給するうえでネックになるのは、貯金がある場合だ。

「自分の死後に迷惑をかけたくないと、葬儀費用として30万円ほどを、虎の子貯金として用意している人は多い。しかし、これがあると、生活資金に回せるとみなされて保護は受けられなくなります」(前出・稲葉氏)

もし貯金を隠して持っていることが生活保護を受給し始めてから判明すれば、保護を打ち切られる危険がある。

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周囲にはバレない

では、貯金がいくらを切れば生活保護を受給できるのか。

「申請時点で持てるおカネの上限は、地域の1ヵ月の最低生活費の半分とされています。東京23区の場合、70代の一人暮らしなら最低生活費約12万円なので、半分の6万円です。ただし、受給が始まれば自由に貯金ができます」(稲葉氏)

ここまで見てきた条件を満たせば生活保護は受給できる。だが、いざ福祉事務所へ相談をしにいったものの、受給までたどりつけなかったケースは多い。生活保護費を減らしたい行政側の「水際作戦」によって追い返され、あきらめてしまうことがあるのだ。

「窓口では、賃貸契約書や年金証書、通帳や印鑑などの提出を求められますが、実はそれは申請後でも構いません。それを説明せず、事務所に行くたび、これが足りない、あれが足りないと突っぱねてあきらめさせる悪質な職員もいます。

お勧めは、あらかじめ用意した申請書に必要事項を記入しておき、窓口に持って行く方法です。NPOのスタッフや、弁護士、司法書士に同行してもらうとよりスムーズです」(稲葉氏)

さらに、受給への心理的なハードルがあるのも事実だ。たとえば、自分が生活保護を受けていることを第三者に知られてしまう危険はないのか。

「ケースワーカーには守秘義務があるため、他人に言いふらすようなことはしません。また、調査のために家庭を訪問する際には私服でいったり、福祉事務所だとわからないように玄関先では名前だけを名乗ったりします」(前出・碇井氏)

ただし、親族に生活保護の受給が知られてしまうのは避けられない。

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